「カーズ」シリーズ最新作「カーズ・オン・ザ・ロード」が、9月8日よりディズニープラスで全9話一挙独占配信開始。同作は、ライトニング・マックィーンと親友のメーターが、メーターの姉の結婚式に出席するために、ホームタウンのラジエーター・スプリングスから飛び出し、ロードトリップをする様子を描く物語。道中では、驚くような出来事や魅力的な新キャラクターが登場し、行く先々で冒険が繰り広げられる。このほど今作の監督を務めるスティーブ・パーセルとブライアン・フィーのコメントが到着した。
今作のロードトリップというアイデアが生まれた経緯について、スティーブ監督は「最初は、いくつか違うアイデアを掘り下げていた。いくつかのアイデアに取り組んでいたら、(新型コロナウイルスの)パンデミックが発生したんだ。僕らは家から仕事をしながら、アイデアを練り続け、(最終的に)決まったアイデアは、僕たちのキャラクターを国を横断するロードトリップに送り出すというものだった。そうなったのは、僕たちが自分の場所から外に出ることや、旅行したいと切望していたからかもしれない」と回顧。
続けて「でもそれは、ストーリーテリングにとって、とても多くの可能性を持った良い基本線だと感じられた。そして、この作品の最後で『僕たちはメーターの姉に会う』というご褒美を入れたんだ。その間で『何でも自分たちがやりたいものをやってみよう。本当のロードトリップで見つけるかもしれない、さまざまな珍しいロケーションを入れて、さらに奇抜にしてみよう!』となったんだ」と明かした。
本作は人間や動物ではなく車が主人公。生き物と同様に感情移入できる理由について、ブライアン監督は「僕たちのアニメーターたちのテクニカルなレベルは、とても素晴らしいんだ。彼らはどんなものでも、あなたたちに(キャラクターとして)信じさせることが出来る。彼らは、キャラクターがある状況に対して、感情やフィーリングを伴って反応していると信じられるようなやり方でアニメートするんだ。監督としては『キャラクターたちに感情移入した』と言われるとうれしいよ。なぜなら、それは僕らがやろうとしたことだからね。いつでもキャラクターを描いている時、僕らはこういった人を見つけようとするんだ」と語る。
また、ピクサー作品は劇中にイースターエッグ(隠しネタなど)があることも通例。今作でもいろいろと仕込んでいるようで、ブライアン監督は「(「トイ・ストーリー」のピザレストラン)ピザ・プラネットのトラックは、多くのエピソードに出てくるよ。あえて言うと、それはすべてのエピソードに入っているかもしれない。100%確かじゃないけど」とコメント。
さらに「たくさんあるよ。『B級映画』と呼ばれるエピソードがあって、その中で、ライトニング・マックィーンとメーターが映画の現場に偶然出くわすんだ。そして、その背景に『レイダース/失われたアーク』に出てくる聖約の箱があるんだ。それをする(イースターエッグを入れる)機会を失うことは通常はないよ(笑)」とニヤリ。
一方、スティーブ監督は「恐竜の博物館の中で、背景に楽しいチャートがあるよ。それは恐竜の誕生の進化を描いているんだ。彼らがいかに海から這い上がってきて、直立歩行するようになったかについてね」と教えてくれた。
そして日本のファンに向けて「彼らが(この作品を見て)笑ったり、その美しさを楽しんでくれることを願っているよ。僕たちは、このシリーズに美しさも持ち込もうとした。美しい風景があるんだ。『カーズ』の作品で、僕が前に見たことのない照明(光の表現)があるんだ。だから、僕は、ストーリーテリングやそこでのユーモアと同様に、それがどう見えるかということに、とても満足しているよ」(スティーブ監督)
「彼らが(このシリーズで)僕らが見せたものに驚いてくれると思いたい。彼らが、もう一度これらのキャラクターたちに親しみを感じてくれると思いたい」(ブライアン監督)と期待を込めた、それぞれメッセージを寄せた。
◆文=武原堅人
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