<ソー:ラブ&サンダー>壮大なスケールの映像美に多彩な挿入曲…小ネタも満載の“雷神ソー”最新作

2022/09/13 06:15 配信

映画 コラム

「ソー:ラブ&サンダー」より(C) 2022 Marvel


そして、この映画の日本上映に関して特別応援を務めた“日本の雷様”高木ブーがジャズ~ハワイアン~ロックの経験を持つミュージシャンでもあるということと関係があるのかは分からないが、今回の挿入曲にはひときわ力が入っているように思えてならない。音楽好きの仲間と一緒に見れば、曲当てクイズ状態になること間違いなしだ。

エンヤ「オンリー・タイム」、ABBA「アワ・ラスト・サマー」、ディオ「レインボー・イン・ザ・ダーク」、ガンズ・アンド・ローゼズにいたっては「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」「パラダイス・シティ」「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」「ノーヴェンバー・レイン」と、すごい推しっぷりだ。ガンズは11月に来日予定であり、ぼくも行くつもりだが、プログラム中に「ソー・コーナー」か何かを作って、これらの曲をまとめて爆音でやってくれたらと夢見てしまった。

なお、映画本編だけでなく9月8日から「マーベル・スタジオ アッセンブル ソー:ラブ&サンダーの裏側」が早くも配信開始。「スター・ウォーズ」シリーズなどでもメガホンを取っている今作のタイカ・ワイティティ監督のこだわり、演出のすごさなどをキャスト陣が語るインタビューや、「スター・ウォーズ」の「マンダロリアン」でも導入された「ボリューム」と呼ばれる360°すべてをデジタル背景にできる技術についても触れられている。それにより現実のセットとデジタル世界を融合することができ、あの壮大なスケールの惑星の雰囲気が映像に表われているのだな、と驚かされた。

マッスルボディーを誇るクリス・ヘムズワース(C) 2022 Marvel


ちなみに、劇中の新アスガルドにあるアイスクリーム屋さん「インフィニティ・コーンズ」の名前は、「インフィニティ・ストーン」をもじってクリス・ヘムズワースがつけたとか。本人(クリス)がメイキング映像内で語っている。そんな裏ネタも知ることができるので、“ソー”ファンがこれを見れば、それこそ「So Fun」な気分になれるはずだ。

配信後、「ソー:ラブ&サンダー」に寄せるSNS上の反響を見ると「コメディ色強くて面白い」「ガンズにテンションが上がる」「純粋に面白かった~!」など、本当に幅広く、いろんな箇所に注目が集まっていることが分かり、視聴者の熱気に圧倒された。あらゆる見方に対応でき、あらゆる視点でとらえても面白味を味わえる、「ソー:ラブ&サンダー」はそんな作品である。


◆文=原田和典