──加藤さんはミュージカルやストレートプレイ、2.5次元舞台、音楽活動、声優活動など、マルチに活躍されています。様々な活動をすることは、ご自身にどのような影響を与えていると感じていますか?
すべて“表現をする”ということは共通していますが、現場現場で得るものが違って。何よりも一番大きいと思うのは、ミュージカルで喉や声帯の使い方を理解したこと。それによって自身の音楽活動の幅も広がったのは僕にとって大きな収穫でした。最近だと声優のお仕事をさせていただくようになって、例えばため息一つにも感情があるとか、呼吸一つにも表現方法がいくつもあるとか、息の使い方を学びました。それを経てお芝居の現場に来ると、息遣い一つひとつの細かいことにも意識がいくようになって。あとは、各ジャンルで生きている方の人の話を聞くのも面白いですね。声優さんは声優さんのお仕事の仕方があって、お芝居の取り組み方も違うので、各現場でいろいろな人の話を聞いています。
──今年の7月には「テニプリ☆ソニック2022 -おてふぇす in 日本武道館-」に出演し、「新テニスの王子様」で跡部景吾役を務めた高橋怜也さんや、ミュージカル「テニスの王子様」1stシーズンで共演していた城田優さんとデュエットをして大きな反響を集めました。ご自身の舞台デビュー作でもあるミュージカル「テニスの王子様」や、跡部景吾という役は、今の加藤さんにとってどのような存在ですか?
「原点」ですね。当時はお芝居をしているという感覚はあまりなくて、部活動の延長線上のようでしたけど、初めて役者として舞台に立った作品ですし。あれがあったからこそ加藤和樹を知ってくれたという人も多い。すべての始まりですね。
──ひさしぶりに跡部景吾としてステージに立ってみていかがでしたか?
「テニスの王子様」という作品の偉大さを感じました。ファンの方達がどれだけこの作品を愛しているのかがわかりましたし、そこに出ているキャストの皆さんも、とにかくみんなテニプリが大好きなんだなというのが伝わりました。跡部景吾としてステージに出させていただくたびに、ファンの皆さんにとっても、もちろん僕にとっても跡部景吾がすごく大きな存在なんだなと認識するんですよ。自分が演じたからといって彼は自分のものではないですし、僕自身が彼のファン。その想いはずっと持ち続けたいと思います。自分の中で彼の存在はなくならないので、この先もずっと大事にしていきたいです。
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