美しいメロディーと共に、純真無垢なキャラクター・ピノキオがファンタジックな世界を冒険する。いわば、夢と魔法のディズニーど真ん中の世界観である今作は、アニメを見たのが遠い過去になり、ストーリーを忘れかけている“かつて子どもだった人”にこそ思い出してほしい真っすぐな世界。
魔法で動くことができたピノキオを見て、驚きつつもうれしくてたまらないゼペットの姿を見ると、現在大人であればあるほどジーンと来るだろう。また、ブルー・フェアリーから「人間の子どもになるために、良いことと悪いことの区別をつける」という話をされ、澄んだ瞳を向けてくるピノキオの顔を見て、「悪いこと…していないだろうか」と自問自答したくなるなら、きっとあなたがしっかり人間の道を歩んでいる証拠だ。
悪者に連れてこられた「プレジャーアイランド」という不気味な世界で、ピノキオが他の子のする盗み、ポイ捨て、器物破損といった悪行に閉口しながら「お父さん、もし僕がここにいるって知ったら悲しむんじゃないかなぁ」とポツリと言うシーンも胸に迫った。「ピノキオ」は、かわいいキャラクターに癒やされるだけではなく、少し自分を振り返るような要素があるから長年、愛されてきたのではないだろうか。
なめらかなCG技術や、きめ細やかに世界観を描く映像美も好評。終盤に待ち受ける、海でピノキオがピンチに陥るシーンの迫力も見ものだ。
SNSには「動きが本当に人間の子どもだった!ピノキオの願いが本当にかなったね」「じっくりとピノキオ見たの初めてなのかも。すごくいいお話しだった」「大好きな作品だから息子が帰ってきたら一緒に観たい」など、最新作への感想が多数並んでいる。
◆文=ザテレビジョンシネマ部
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