「ピノキオ」のメインビジュアルを見るだけでも、トムのゼペットがハマり役であることがよく分かる。人形のピノキオを、わが子を見るようなまなざしで見詰めるゼペットの優しい表情。それは、絵本の世界から飛び出したような懐かしさや温かみがあって胸を打つ。人形を作りながら切なく歌を口ずさみ、一人暮らしの深い寂しさを演じるのも、動き出したピノキオに腰を抜かすほど驚くのも、さすがトム・ハンクスといった演技力で楽しませてくれる。
ゼペットの部屋には、アニメ版でもおなじみの壁掛け時計がたくさんかかっている。定時になって鳴り響くカラクリ時計には「トイ・ストーリー」のウッディなど、おなじみのディズニーキャラが登場するお楽しみもあり。ロバート監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで時計をいじり倒しただけに、小道具にして遊ぶのはお手の物なのだろうか。とにかく画面に見入ってしまう手の込んだシーンになっている。
ゼペットの大切なペットである金魚のクレオと猫のフィガロが、実写版で登場した際には、ファンのSNSに「フィガロ大好き」「ゼペットのおうち全体がすごいかわいい」「遊びに行きたい」などと、注目を集めていた。
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