川崎鷹也「僕の音楽で目の前の人が幸せになったらいいな、という気持ちが全てなんです」

2022/09/14 12:00 配信

音楽 インタビュー

数々の音楽番組出演などを通し、その歌唱力でも高い評価を集めている川崎鷹也が、カバーEP(ミニアルバム)をリリース。一般にカバーアルバムといえば、ある程度ベテランと呼ばれる年代に達したアーティストが出すものというイメージもあるが…。今、カバーアルバムをリリースする理由、また歌への、そして人への想いを川崎に聞いた。

カバーEP『白』をリリースする川崎鷹也   撮影=諸井純二


今回のカバーに関しては、歌うことによって自分のこれまでを昇華してまた次の段階へ向かうという、区切りみたいな意味合いもあった


「このタイミングでのカバーEPはあまり予想されてないことだと思うんですけど、これは応援してくださる皆さんだったり、スタッフチームも含めた周りの人たちを、敢えて良い意味で裏切りたいなという思いからです。とりわけ、常に近い存在であるスタッフやレコード会社の人にこそ『こいつスゴいな』って思ってもらわないといけない、という考えが僕にはあって。そういうサプライズは常に追求したいなと思っているので、このタイミングで挑戦してみようと決めました」

作品タイトルは“まっさらなところから人との出会いによって自分らしい色になっていく”といった意味合いを込めて『白』と名付けた。そのコンセプトの通り、収められた全5曲の一つひとつが、関わったさまざまな人との思い出に彩られている。

「“僕にとっての大切な曲”“僕と大切な人を繋ぐ曲”というテーマのもと、ふさわしい楽曲を選んでいきました。最初の候補曲はシンプルに歌いたい楽曲も含めて、50~60曲あったと思うんですけど、曲のコントラストやテーマ、アレンジのバランスなども含め、悩みに悩んで5曲まで絞りました。5曲とも結構ヘビーな曲だしパワーを要する曲なので、どれもオリジナル版へのリスペクトはもちろん、僕と関わってくれるみんなへの恩返しの意味も込めて歌ったつもりです。
何て言うんでしょうね…今回カバーすることでこれまでの思い出が昇華される、じゃないけど。自分のおばあちゃんに対する思いだったり、ずっと『お前の歌声は最高だよ』と言って一緒に歩んでくれた事務所の社長に対する思い、マネージャーに対する思い、自分自身に対する思い…それらをここで一つの形として残すことで、また次のステップに進めるような気がして。自分で作った楽曲を誰かに向けて歌うっていうところは一貫して変わらないんですけど、今回のカバーに関しては、歌うことによって自分のこれまでを昇華してまた次の段階へ向かうという、区切りみたいな意味合いも僕の中であるのかもしれません」