5月27日(土)、昨年9月に開幕したB.LEAGUEの初代王者がついに決定する。今シーズン、ファイナルの舞台で激突するのは、川崎ブレイブサンダースと栃木ブレックス。川崎は49勝11敗、栃木は46勝14敗という成績でレギュラーシーズンを終え、過酷なプレーオフのトーナメントを勝ち上がってきた。初代チャンピオンを決める記念すべき一戦の前に、B.LEAGUEチャンピオンシップ・ナビゲーターを務めるバスケットボール解説者/NBAアナリストの佐々木クリスに、決戦の見どころや注目プレーヤー、勝敗予想を語ってもらった。
――川崎と栃木、両チームのここまでの戦いぶりを振り返ってみていかがですか?
今回のベスト4である川崎ブレイブサンダース、栃木ブレックス、シーホース三河、アルバルク東京と、千葉ジェッツを加えて「トップ5」という表現を自分の記事ではしているんですけど、川崎と東京、栃木と三河のセミファイナルはどちらも第3戦までもつれましたし、実力は本当に拮抗していると思います。その中でも、最後は長く一緒にやっているチームの差、そして選手層の厚さが出ましたね。川崎は東京よりもベンチメンバーの貢献があり、得点だけじゃなく、ディアンテ・ギャレットや田中大貴に対するディフェンスでも、結局は選手層の厚さが後押しした。
栃木も同じように、田臥勇太でスタートして、チームの得点が止まったら渡邉裕規を出すし、ディフェンダーでは遠藤祐亮のあとに須田侑太郎が控えていたり、あとはジェフ・ギブスがベンチから出てくるという恐ろしさもあります。そして、両チームとも長く一緒にプレーしているケミストリーがあり、意思統一が取れている。「最後に1本」となった時に、せーの!で一致する連帯感、これらが物を言って、ファイナル進出に繋がったんじゃないかなと思います。
――同じ強みを持っているわけですね。では、それぞれ相手より勝っている武器、強みは何でしょうか?
一戦必勝のゲームなので、顕著に現れるかは分からないんですけど、川崎はリーグナンバーワンの圧倒的なシュート力があります。これは極論ですけど、数字上では、彼らが打つシュートは基本的に期待値が高くなる。当然悪いシュートもありますけど、それだけのシュート力を持っているということが、栃木との一番の差ですね。
対する栃木は、ポゼッションゲームといって、攻撃権の争いで絶対的に優位にあります。一番分かりやすいのはリバウンドとターンオーバーですが、特にオフェンスリバウンドの数が相手よりも多ければ、攻撃権の奪い合いで上回ることができますよね。逆にターンオーバーの数が相手を下回っていれば、攻撃権を明け渡していないことになるし、栃木は圧倒的にこの攻撃権争いが強い。横綱級ですね。
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