毎年の恒例として子どもたちの人気を集めるプリキュア映画。今年は「映画デリシャスパーティ・プリキュア 夢みる・お子さまランチ!」が9月23日(祝・金)に全国公開され、併せて「わたしだけのお子さまランチ」も同時上映される。「わたしだけのお子さまランチ」には過去シリーズから3人の主人公、「トロピカル~ジュ!プリキュア」(2021-2022)の夏海まなつ/キュアサマー、「ヒーリングっど・プリキュア」(2020-2021)の花寺のどか/キュアグレース、「スター☆トゥインクルプリキュア」(2019-2020)の星奈ひかる/キュアスターが登場し、「デリシャスパーティ・プリキュア」のプリキュアたちと共演する。
映画公開を記念して、夏海まなつ/キュアサマー役のファイルーズあい、花寺のどか/キュアグレース役の悠木碧、星奈ひかる/キュアスター役の成瀬瑛美にインタビューを実施。三者三様の「プリキュア」との出会い、オーディション秘話。そして「プリキュア」を通じて子どもたちに感じてほしいメッセージや、「プリキュア」を見て育つ世代に期待したいことまでたっぷりと聞いた。悠木が「プリキュアの人数が増えるほど、肯定される子たちが増えていく」と語る通り、シリーズ19作を数え、ますます多くの子どもたちを力づけていく「プリキュア」の魅力とは。
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――まず、皆さんの「プリキュア」初体験からお聞かせください。
ファイルーズ:私は番組を観ていなかったんですが、学童保育でアルバイトをしていたとき、子どもたちが「プリキュア」のお弁当箱やハンカチを使っていたので大人気なんだというのは知っていました。それから自分がプリキュアになったときは、子どもたちの憧れのお姉さんに近付けたようで嬉しかったですね。
悠木:私は「キラキラ☆プリキュアアラモード」(2017-2018)のキャラクターデザインが公開されたときですね。キュアショコラに一目惚れしたのが私の最初の「プリキュア」体験。プリキュアシリーズ自体は知っていたけど、それまでちゃんと観たことはなくて。「 めっちゃ好みの子がいる!!」みたいな感じで始まり、それから放送中の1年間、夢中になって観ていました。「プリアラ」なので、けっこう大人になってからなんですよ。でも、大人の私でも「プリキュア」を観るときれいな涙が流れる。その瞬間はちゃんと対象年齢になって観ているんですよね。キュアショコラ推しではあったけど、キャラクターみんなが家族のような気持ちになって、1年を通じて1つ愛情を掛ける対象が増えたような気持ちでした。これって、プリキュアがちゃんと人間として描かれているからこその感情なんじゃないかなと思います。
成瀬:「おジャ魔女どれみ」や「明日のナージャ」とか、女の子向けアニメを放送している日曜朝の枠がありますよね。私はそういった少女アニメが大好きで小さい頃から観ていましたが、「ふたりはプリキュア」(2004-2005)が始まったとき、それまでの女の子向けアニメとの違いにすごい衝撃を受けたのを覚えています。女の子たちが敵と激しく戦って、仲間との喧嘩もあれば友情もあるという、女の子向けアニメで男の子向けっぽいことをしているのがとても衝撃でした。妹とごっこ遊びをしたりもして、それからずっと大好きです。
――「プリキュア」のオーディションはアニメ業界では有名で、春を過ぎると毎年の風物詩のように開催の知らせが届くと聞きます。ご自身がオーディションを受けたときの気持ち、オーディションの様子がどのようなものだったのか教えていただけますか。
成瀬:「スタプリ」(「スター☆トゥインクルプリキュア」)のときはいつもとちょっと違う面白い場だったみたいです。作品のテーマに多様性というものがあったので、アイドルの私のように色々なジャンルの方に参加を呼び掛けたようなんです。私の憶測ですけど、ドラマや舞台、ミュージカルなど畑の違う役者さんらしき方々もいらしていて、グローバルに開かれているオーディションだった印象です。実は私、でんぱ組.incでのテーマカラーがイエローだったので、同じ色のキュアソレイユ役で受けていたんですよ。最終的にピンクのキュアスター(星奈ひかる)に選んでいただきましたけど、ひかるちゃんのモチーフに私が大好きな黄色いお星さまがいっぱい散りばめられていたり、オーディション当日にしていった髪型がひかるちゃんと一緒だったりで、何か縁があったのかなって思います。あと、「スタプリ」のときは歌のオーディションもあったんですよ。多分、例年はセリフだけだと思うんですけど?
悠木:私はなかったよ。
ファイルーズ:私も。
成瀬:やっぱりそうなんですね。歌のオーディションは楽しかったです。言われてもいないのに振り付けを考えていって、歌って踊ったり。ちょっと型破りなことをしていました(笑)。
――悠木さんはアイドルの成瀬さん、まだ新人だったファイルーズさんとは違って、声優としてのキャリアを持ってのオーディションですね。
悠木:そうですね。実は私の同世代はだいたいヒーリングアニマルの役を受けていて、正直、「あ、これは私がプリキュアになることはないな」と思っていたんです。やっぱりそこそこ横並びの年齢でキャスティングされると思うじゃないですか。だからあるとしても、後から仲間になるプリキュアかなって。最初はそんな気持ちでしたけど、結局はやれることをしっかりやる、良いお芝居を見せるしかないと思って臨みました。私のキャラ的にはスパークルなら可能性があるかもと思っていたので、キュアグレース役を頂けたのは自分でも意外でした。でも、逆に彼女の穏やかさって私が憧れているものでもあったので、それが乗せられたらと思いましたし、もしかしたらオーディションで振り絞った私の穏やかさを聴き取ってもらえたのかもしれないですね(笑)。
ファイルーズ:私はオーディション原稿から伝わってきたまなつ(夏海まなつ)の印象が底抜けに明るい子だったので、それを大事に。でも、「トロピカってる」って何なんだろうと思いながら(笑)。まあでも、そういうのはあんまり考えない子なんだろうなと思って、いい意味で頭を空っぽにして、台本から感じた素直なイメージをそのまま乗せて元気に演じたら受かりました。
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