3世代プリキュア声優が語る、子どもたちへのメッセージ チームワーク、多様性の肯定、自分を愛することの大切さ

笑顔での食事は平和の象徴、誰でも楽しめる作品に

ファイルーズあい(左)、悠木碧(中央)、成瀬瑛美(右)撮影=友野雄


――今回の「わたしだけのお子さまランチ」の見どころはどんなところですか。

成瀬:「わたしだけのお子さまランチ」には小難しいことが1つもなくて、みんながそれぞれ好きなものを持ち寄って、美味しいご飯を食べて楽しい気持ちになろうって、そういうストーリーです。小さい子たちでも絵本のような感覚で観られるし、もちろん大人の方も楽しめます。広く誰でも、それこそ日本語が分からない海外の方でも、観ているだけで楽しくなると思います。

悠木:私はだれかがごはんを食べるところを見るのが大好きなので、「サイコー!」っていう感じです(笑)。笑顔での食事は平和の象徴だと思うので、プリキュアもこうして楽しくご飯を食べて生きているんだよ、というのを観てほしい。彼女たちの人間性がより伝わる内容になっているので、ぜひそれぞれの表情を楽しんでいただけたらと思います。

ファイルーズ:いつもはプリキュアの姿と言えばバトルが多いんですけど、今回は日常会話をプリキュアの姿でするのがすごく新鮮で楽しめると思います。たくさんのキャラクターが動く絵力(えぢから)もすごいので、一度と言わず二度三度と観て、隅々まで楽しんでいただきたいです。

プリキュアの人数が増えるほど、肯定される子たちが増えていく

悠木碧撮影=友野雄


――「プリキュア」には女性の活躍や多様性の肯定というテーマも見えます。そんな「プリキュア」から、子どもたちにどんなことを感じてほしいですか?

成瀬:長年シリーズを観てきて思うことはたくさんありますけど、チームワークなのかなと思います。幼稚園でも小学校でも色んなタイプの子たちがいて、その中でコミュニティーを築いていくわけじゃないですか。そうしたとき「プリキュア」を観ていると、「あ、私はこういうタイプなのかもしれない」と考える瞬間がきっとあると思うんです。「明るい雰囲気が好きだから、みんなを盛り上げる役になろう」とか、「人を引っ張れる性格だから、リーダーの役割を持って頑張ろう」とか。「プリキュア」はそういった自分と周りとの絆を考えさせられる作品だと思います。

悠木:約19年間も「プリキュア」シリーズが繋がれる中で、色々なプリキュアが描かれてきたのも大きいですよね。子どもがこうなりたいと思う憧れの存在。シリーズで担っているテーマも違っていて、プリキュアの人数が増えれば増えるほど肯定される子たちが増えていくんですよ。それが作られている皆さんが作品に込めた願いだと思うし、これからも繋いでいかなければいけない理由じゃないのかなと思います。これだけのプリキュアがいたら、きっと共感できるプリキュアが1人はいるはず。あなたも誰かを救う戦士、誰かを守る戦士の1人になれるよって。大人の目線で観ると、そういうメッセージは感じますね。

ファイルーズ:私はプリキュアが何であんなに強く輝いているのかと考えたとき、自分を愛しているからなのかなと思うんです。自分を愛するって、簡単なようでとても難しいです。逆に言えば、愛せる自分になるということでもあって、それには自分を認める勇気、理想の姿になる努力といったことが必要になると思います。対人関係も大事で、例えば友達と喧嘩して、喧嘩したままだとずっと心にモヤモヤがあって輝けないんですよ。でも、ちゃんと歩み寄って仲直りすれば、お互いに輝きが強くなっていく。「プリキュア」にはそんな姿が描かれているので、自分を愛することの大切さも伝わっていると嬉しいですね。

「映画デリシャスパーティ・プリキュア 夢みる・お子さまランチ!」(C)2022 映画デリシャスパーティ・プリキュア製作委員会