アイドルから演技派女優へ チョン・リョウォンが多面的な演技で魅了<弁論をはじめます。>

2022/09/28 11:30 配信

ドラマ レビュー

デビューはインド音楽コンセプトのアイドルグループ


このように「演技派」として評価が高い彼女だが、実は意外にもアイドル出身。小学生から大学1年までオーストラリアで過ごし、「雪が見たくて」韓国にやって来た際、スカウトされ、2000年に“チャクラ”という4人組グループでデビュー。デビュー曲「ハン」はインド音楽のコンセプトという斬新さで大ヒット。最優秀新人賞をいくつも獲得した。この「ハン」は、今でもアイドルたちが番組企画でカバーすることが多い有名な曲だ。その後もアフリカ音楽を取り入れたり、と唯一無二なグループとして人気を博した。

だが、女優の道に進むため、2003年に脱退。その後、いくつかドラマに出演するが、あまり注目を浴びず…。だが、2005年に「私の名前はキム・サムスン」で、サムスンの恋敵となるヒジン役で、ドラマの大ヒットと共に女優として評価を上げ、その後は、「幻の女王チャミョンゴ」「ドラマの帝王」「メディカルトップチーム」などで、着実に経歴を重ねている。

恋愛ドラマでは一転カワイイ女性に


社会派の作品が多い印象だが、恋愛ドラマでも活躍。「風船ガム」では、幼なじみ役のイ・ドンウクに妹のように甘える姿がとても可愛く、「油っぽいロマンス」ではチャン・ヒョクと2PMのジュノ、2人に想われる天然で明るい女性を生き生きと演じた。

年下男のジュノと毎回のように繰り返されるキスシーンはあまりにもリアルで、ジュノファンの女性たちがヤキモチを焼きまくったほどだった。恋愛ドラマの彼女は、いつもどこか魔性感がある。今回の「弁論をはじめます。」でも、主軸ではないにせよ、水と油の関係のチャ・シベクとの一風変わったラブラインが期待できそうだ。

冷たくて強い女性も、やわらかくて愛らしい女性も、どちらもできる型にはまらない女優・チョン・リョウォン。「常に最新作が自分の中で最高の作品」という彼女は、今回の作品について、「私が法廷ミステリーが大好きなので、似たような作品のオファーがいくつか来たけど、この作品は私の手から離さずに持っていたいと思った」と語った。

そして、ノ・チャッキという女性については、「冷たい性格で成功欲が強い役柄を今まで多く演じてきたが、チャッキは見えることにとても気を使い、飾ることに途方もないお金を使う人物。今回は服も華やかで見どころも多いと思う」と、新たな一面を魅せられると自信を覗かせている。

大手事務所のエースから田舎の国選弁護人となった彼女は、今後受け持つことになる事件が、自身の過去に大きくかかわっていることを知るようだ。遠い過去に起こった事件の隠された真実とは何か。また、1年後には“張山”に戻る、という計画は、思い通りになるのか。物語はまだ始まったばかりだ。