慎太郎はあっさりと、進学するのは東京の大学ではなく、地元の大学だと告げる。手紙はもし東京に行くならと書いたもので、桜子たちが背中を押すためにわざと湊に渡したのだった。慎太郎はうれしそうに「本当に俺のことが好き?」と尋ねると、湊はバツ悪そうにしながらも頷き、お前こそ俺で良いのかと尋ねる。慎太郎がとくとくと湊のことが生涯好きだということを説明しようとすると、言い終わらないうちに湊から慎太郎にハグ! いや、ハグというよりもガバッと強く抱きついた。
抱擁しながら感極まった表情で堪えきれずに涙を流す湊。そして、気持ちを確かめ合うようにお互いの目を見つめ合う二人。髪の間から覗く草川の大きくてつぶらな瞳が揺れ、西垣も真剣なまなざしで返し、見ている方も心拍数が上がってくる。そして思いが通じ合った二人はキスを! しっかりと数秒も唇を重ね、供給の多さにボルテージも上昇。さらに、照れくさそうにうつむく湊に、満面の笑みを浮かべる慎太郎は顎クイならぬ頬クイをして「大好き」と告げると、再びキス! しかも、先程の唇を重ねるだけのキスよりも本格的で長く、慎太郎は逃げ道をなくすように湊の後頭部に手を添えて攻めの姿勢を見せる。さすが、グイグイと積極的な慎太郎だ。もう見てる方は、供給がMAXを振り切りキャパシティを遥かに超えてきて昇天するしかなかった。
ニヤニヤする余裕もなくこちらが頭真っ白になって見守っていると、湊が「長いよ」と身体を離した。その後は物足りないとガツガツと行こうとする慎太郎と、落ち着けと言う湊とでいつものじゃれ合いに突入して海に倒れ込んでしまう。あぁ、いつもの二人に戻ったとホッとするのも束の間、服を乾かしていくかと尋ねる湊に慎太郎が「お誘いですか?」と聞くと、湊はいたずらっ子ぽく笑って「そうだよ!」と湊から勢いよくキスしてフレームアウト。回を追う毎にファンを増やして多くの人に愛された本ドラマは幕を閉じた。
波のきらめきと陽光が輝くなか繰り広げられたクライマックスシーンは、どこまでも明るくて眩しかった。本ドラマではキスシーンは期待していなかったのにも関わらず、3回もキスが描かれて良い意味での驚きが。そして、あの湊が積極的になり、夜のお誘いを匂わせていても健康的でピュアに感じさせ、見ている方の想像をはるかに超えてきた。しかも、金井純一監督のツイートによると、湊の涙と慎太郎の「大好き」のセリフはアドリブだったというオマケつき。どこまで、尊いキュンをくれるのだろうかと天を仰いでしまう。
思えば毎回、キュンの過剰摂取で呼吸困難になるほど、予想以上のときめきを供給してくれた。見るものにとっても忘れられないひと夏の素晴らしい思い出を与えてくれた本ドラマに深く感謝したい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)