「四畳半タイムマシンブルース」の配信が決定した際、浅沼は「僕の声優としてのターニングポイントとなった作品は、間違いなく『四畳半神話大系』でした。11年の時を経てまた再び、薔薇色のキャンパスライフを求め、責任者を探し、黒髪の乙女や悪友と奔走することができるなんて無類の喜びです。願わくば、あの人の元まで届きますように」と、彼自身にとっても重要かつ転機となった作品であると明言していた。
その後、ディズニープラスでの配信開始前に京都で行われたイベントでは「うれしい反面、めちゃくちゃ不安でした。成長したことによって変わってしまった自分もいるので」と不安も吐露した浅沼。それだけ「私」というキャラに思い入れが強かったということらしい。「いつまでもおろかで、どこまでも不毛でいてほしいという歪んだ愛情があった」と話し、「成長し過ぎじゃないですか?」などと監督とディスカッションして、今回の「私」を作り上げたという。“成長したことで変わってしまった自分”については、原作者の森見から「12年たって心境の変化があって『私』も成長している」と言ってもらったことで納得したと明かしている。
第2話でも冒頭で、タイムマシンの説明を英国の作家H・G・ウェルズの名前を挙げたりしながらまくし立てるようにテンポ良く説明した。前作「四畳半神話大系」と比べると状況説明的な要素が増えているので、少し丁寧なナレーションになっているという。そういう違いにも注目しながら、浅沼によるテンポの良いセリフとナレーションも含めて作品を楽しんでもらいたい。
◆文=田中隆信
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