「機動戦士ガンダム 水星の魔女」市ノ瀬加那×Lynn対談 初の女性主人公、“学園が舞台のガンダム”が描くものとは

近付きたいけど距離が縮まらない、温度差の激しい2人

市ノ瀬加那撮影=入江達也


――第1話はスレッタがミオリネの花婿になるという展開で幕を閉じました。真逆な2人がどのような関係を作るのでしょうか?

市ノ瀬 スレッタはミオリネと友達になりたいんですけど、ミオリネは一向に距離を縮めてくれません(笑)。スレッタの方は「初めての友達!」みたいな感じなのに、「は?アンタ何!?」って言われてしまうような感じで寂しいですね。

Lynn ミオリネは別に友達を欲してはいないので(笑)。

市ノ瀬 でも、スレッタも内気なのに意外と引かない部分もあったりするんです。ミオリネに怒られてビクビクしながらも自分の言いたいことをしっかり言って、全然へこたれない。性格は内気だけど芯は強いという、そんなところもスレッタの魅力です。

Lynn ミオリネにとって、現時点ではグエルよりスレッタが花婿候補になっている方が都合がいいって、その程度の相手なんですよね。だから「余計なことはしないで。私の邪魔をしないで」っていう温度感。けれどスレッタのエアリアルの操縦技術に関しては第1話で目の当たりにしていますし、多分ミオリネもこれから認めていく部分はきっとあって、自分にはないものを持っていることに気付かされていくんじゃないのかなと思います。

Lynn撮影=入江達也


――色々面白いスレッタは、「ガンダム」特有の圧を和らげてくれています。

市ノ瀬 アフレコでも“シリアス抑え目に”というディレクションは入りますね。決闘の戦闘シーンでも、あまり深刻な雰囲気にならないようにって。戦い自体はみんな一生懸命ですけど、学生だし、命を奪うための戦いではないので、緊張感はあるけれど、シリアス度合いは少し減らす、みたいな感じです。

Lynn 生徒たちはまだ命の責任を負っていない状態というか、モビルスーツが本当はどういうものなのかを頭では理解していても、体では分かっていないんです。戦争のための兵器であるというのは、前日譚の「PROLOGUE」で描かれていて、あの映像を観ると先々どうなるのかなと…。

市ノ瀬 今後、スレッタとミオリネの学園生活がどうなっていくのかは、皆さんの目でぜひ確かめてみてほしいです。

あらすじ


機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、アスティカシア高等専門学園を舞台に描かれるスレッタ、ミオリネたちの青春群像劇。主人公の少女スレッタ・マーキュリーが辺境の水星から学園に編入してくることから物語は動き出す。ミオリネ・レンブランは学園を運営する巨大複合企業体・ベネリットグループ総裁の娘であり、17歳になったとき、決闘で決まる学園で一番強いパイロット「ホルダー」の座にいる生徒と結婚することを、父親に決められている。そんな事情を知らないスレッタは現ホルダーのグエル・ジェタークとの決闘に勝利し、ミオリネの花婿候補となってしまうのだが…。

■取材・文/鈴木康道
撮影/入江達也

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