「SATC」大ヒットで“世界で最も稼いだ女優”へ…サラ・ジェシカ・パーカーが約30年ぶりに“末っ子魔女”好演

2022/10/07 07:10 配信

映画 レビュー

「ホーカスポーカス 2」に出演するキャシー・ナジミー、ベット・ミドラー、サラ・ジェシカ・パーカー(写真左から)(C)2022 Disney

アン・フレッチャー監督がメガホンを取った映画「ホーカスポーカス 2」、もうご覧になっただろうか。ギャグや小ネタは国境や国籍を越えるというか、ファンタジーは人種や世代の壁を突き破るというか、とにかく「みんな結局、赤い血が流れる地球人同士じゃないか」的な一体感を届けてくれる気持ちの良い作品だった。なにしろ300年以上前に生きていた魔女たちが、時代を思いっきり超えて現代に降りたって、騒ぎ笑い生き生きとした姿を見せてくれるのだから、本当に時を超えている。(以下、ネタバレを含みます)

1993年にケニー・オルテガ監督が手掛けた「ホーカスポーカス」は、サンダーソン3姉妹と呼ばれる悪名高い魔女3人が長い眠りから目覚め、ハチャメチャな大騒動を引き起こすハロウィーンファンタジームービー。続編となる「2」共々、現在ディズニープラスで配信中だ。およそ30年前に公開された前作で、物語の鍵を握る悪名高き魔女“サンダーソン3姉妹”に扮(ふん)していたのが、ベット・ミドラーサラ・ジェシカ・パーカーキャシー・ナジミーの3人。

約30年ぶりでも変わらぬ美貌

「ホーカスポーカス 2」より(C)2022 Disney


ジャズ~ポップス~ロック界のすべてで第一級の歌手として君臨してきたといっても過言ではないベット、映画「天使にラブ・ソングを…」や数々のミュージカルで好演してきたキャシー、そして不滅の人気ストーリー「セックス・アンド・ザ・シティ(略称:SATC)」で主人公のキャリー・ブラッドショーを演じて社会現象を巻き起こしたサラ・ジェシカと、この3人が前作以来、約30年ぶりに顔を合わせて“サンダーソン3姉妹”の絶妙なノリに一層の磨きをかけているのが、どうしようもなくうれしい。しっかり年輪が加わって、「これこそがザ・リアリー・トゥルー美魔女だ!」と言いたい。

サラ・ジェシカが扮するのは“サンダーソン3姉妹”の末妹・サラだ。彼女はリアルの世界でも1940年代生まれのベット、50年代生まれのキャシーよりもさらに次の世代(1965年生まれ)にあたる。オハイオ州ネルソンヴィルという人口5000人程度の小さな町で生まれたが、8歳でテレビに出演、11歳でニューヨーク・ブロードウェイの舞台に立ち、13歳から2年間ミュージカル「アニー」で主人公を演じたというから、いわゆる子役界の大スターではないか。

天才子役からハリウッドの実力派女優へ

今までわれわれはハリウッドで脚光を浴びた子役が大人になっていつしかシーンからフェードアウトしていく光景を見てきた。中には、ドラッグ漬けになったり、毒親にコントロールされたりと、まったく悲しくなるような図もあった。

が、サラ・ジェシカはさらに躍進する。“史上最悪の映画監督”ことエド・ウッドにオマージュを捧げた映画「エド・ウッド」などへの出演を経て、1998年から始まったのがドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」だ。主役を務めたサラ・ジェシカは超の字がつくほどスタイリッシュだった。ファッション、メーク、豊かな表情、一挙手一投足に至るまで、すっかり影響された女性は星の数ほどおり、まさに時代のアイコンに。彼女は4度の「ゴールデン・グローブ賞」テレビ部門主演女優賞、2度の「エミー賞」主演女優賞という、並外れた栄誉に輝いている。2022年春には劇場版第2弾から数えて約11年ぶりの新作となった「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章」もフィナーレを迎え、話題となった。