12月3日(土)から「MOOSIC LAB 2023」で先行上映され、2023年に劇場公開予定の映画「サーチライト-遊星散歩-」で、中井友望が初主演を飾ることが分かった。
玉城ティナらを輩出した「ミスiD」で2019年度のグランプリを獲得し、女優として躍進を続ける中井。2021年には「かそけきサンカヨウ」「シノノメ色の週末」「ずっと独身でいるつもり？」と立て続けに出演作が公開となり、2023年2月には東京国際映画祭のアジアの未来部門に出品が決まった「少女は卒業しない」の公開も控えている。
本作は、一見普通の女子高校生だが、病を患った母・貴子(安藤聖)との暮らしを守るため、苦しい生活を余儀なくされている内田果歩(中井)の物語。大家族を養うためにアルバイト生活を送る同級生の輝之(山脇辰哉)は、果歩の事情を知って気に掛けるが、周囲の心配をよそに、果歩はやがて禁断の“JK散歩”の世界に足を踏み入れていってしまう。
そんな果歩が暮らす街の空をサーチライトが照らす。それは、先行きの見えない境遇の少女の道筋を示す光なのか、それとも…。
自らも創作活動を行う若手実力派の山脇、演劇や映像で確固たるキャリアを築く安藤に加え。グラビアアイドルとしても活躍中の都丸紗也華が、果歩をJK散歩の世界に導く花先輩役を務め、果歩と“お散歩”するサラリーマン・長谷川を個性派の山中崇が演じて映画に奥行きを与える。ほか、西本まりん、詩野、水間ロン、安楽涼ら、若手からベテランまで多彩な顔ぶれが物語を支えている。
監督は商業、インディーズ問わず助監督として、さまざまな監督たちの現場を支えてきた平波亘。2022年12月に劇場公開を控える監督作「餓鬼が笑う」(出演：田中俊介、山谷花純、萩原聖人、田中泯)に続けて放つ本作では、脚本家・小野周子の脚本を基に、自身初となる10代の若者たちを主人公にして、瑞々しくも痛みを伴いながら疾走する青春映画を創り上げた。
また、新時代の音楽家として注目のミュージシャン・合田口洸が劇中歌と音楽を手掛けるだけでなく、謎の男・4番さん役で映画初出演する。
今作のお話を頂いた時、主演という言葉はやはり胸にグッと来ました。ただただうれしく、ワクワクする気持ちが、決まった時から、そして今でもずっと続いています。実際、現場でも重荷になってしまう不安や緊張などは一切なく、本当にスタッフの皆さんや平波監督のおかげだなと思っています。
平波監督は、つかみどころがないようで、だけどすごく考え、寄り添って言葉をくださる方だったという印象があります。主演ということで現場にいる時間も多い中、私にとって監督との距離感や信頼関係みたいなものが心に影響するな、と思っていたので、そこは本当に監督の飾らない佇まいみたいなものに助けられ、今回演じた果歩として真っすぐ立っていることができました。
抱えているものはありながらも、ただ普通に、ちゃんと必死に生きようとしている果歩を演じるには、人の根底にある純粋な感情だけを頼りにしていたような気がします。あの時、果歩として真っすぐに泣き、笑い、怒り、もがいていたものが、作品を通じて伝わればいいなと思います。無事に撮り終えることができ、完成が楽しみです。