吉沢亮が見せた、美しくも切ない泣きの演技に称賛が集まるスタートに<PICU 小児集中治療室>

2022/10/11 11:18 配信

ドラマ レビュー

吉沢亮”武四郎”の慟哭にもらい泣き

本作は、オリジナル脚本を「アライブ がん専門医のカルテ」(2020年)の倉光泰子氏、「監察医 朝顔」シリーズ(2019年、2020-2021年、ともにフジテレビ系)の演出・平野眞氏とプロデューサー・金城綾香氏が手掛けており、医療現場の緊迫感や、登場人物たちの丁寧な心情描写に定評がある。第1話では、北海道の地域医療の厳しさを突き付けると共に、武四郎の医師人生が変わろうとする瞬間をとらえた。

PICUに運び込まれた少女が亡くなったあと、植野はすぐにミーティングを開いた。どうすれば少女を救えたのか意見を出し合う様子に、武四郎は涙があふれ、「さっき、女の子が亡くなったんですよ…」「どうしてそんな何もなかったように話せるんですか」と問い掛けた。

「生きるとか死ぬとか、ほんと無理だからさ」と幼なじみたちに語っていた武四郎にとって、目の前で患者が亡くなるのは初めてのことだった。また、経験に乏しい武四郎は、自分の無力さを痛感したはずだ。

2021年、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合)で多くの視聴者を魅了した吉沢は、本作が月9初主演。この泣きのシーンでは、不器用で純朴、泣き虫で未熟、という武四郎の人となりがよく表れていて、見る者をぐっと引き付けた。

SNSには「吉沢さんの泣きの演技すごすぎて何回もリピート」「吉沢さんの泣きの演技には圧倒される」「今まで見た吉沢さんの泣き方とまた違ってすごく心動かされた」「吉沢さんの泣きの芝居、美しすぎる」などと称賛が相次ぎ、放送後にはタイトルがTwitterのトレンド2位にまで浮上した。

ミーティングで泣いてしまった武四郎に、植野は「次に同じことが起きたら必ず助けられるように、僕たちは経験を自分の血と肉にするために、話すんです。分析するんです」と諭した。そんな植野の言葉に武四郎は前に歩みだした。そしてラストでは、武四郎が3年前の子役の女の子が亡くなったときに北海道知事の鮫島立希(菊地凛子)に宛てて書いた手紙がPICU設立のきっかけになったことが明かされた。

未熟ながら、熱い思いを抱いている武四郎の今後に期待が高まる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部