「キス体感コンテンツ」が地上波初進出、制作陣が明かす“癒やし特化型ドラマ”へのこだわり<キス×kiss×キス>

2022/10/17 07:00 配信

ドラマ インタビュー 独占

“機能性”しかないからこそ「視聴習慣になじむ」


――地上波進出に向けて不安な点はありましたか?

鈴木P:「キス×kiss×キス」シリーズは“機能性”しかないものなんです。映画やドラマのように、じっくりと描いていくものでもなくて。キスだけに特化したコンテンツなので、ドラマの枠に機能性しかないものを置いたときに、視聴者の方がどう受け止めるのかなというプレッシャーはありました。

ドラマのふりをして、ドラマではないので“ジャンル違いかもしれない”という不安は正直ありましたが、今まで通りのスタッフで、いつも通りやってみれば、見てもらえるのではないかなと思いました。

――ドラマであって、ドラマじゃない。でも、コンテンツ単体としてはやはり魅力的ですし、そそられますよね。

正井P:コンテンツとしては最強だと思っています。毎回30分の枠で2本放送していくのですが「疲れたときの癒やしになる」とか「頑張らなきゃいけない仕事がある木曜の朝に電車でこっそり見ようかな」みたいになってほしいなと。

最初はどうしていいか分からない方もいらっしゃると思うのですが、1回見ていただければ、それぞれの“視聴習慣”になじむのではないかなと思っています。

本作を地上波に持ってきたもう一つの理由は、今までこっそり見られてきた「キス×kiss×キス」を地上波で放送することで、一緒に見て、一緒に突っ込んでもらいたいなと思ったんです。ちゃんと突っ込みポイントも入れているので、ぜひ注目していただきたいです。

ネタ会議で出た “リアルな声”をドラマ化


――地上波で放送される全20エピソードのラインナップは、どのように決めていったのでしょうか?

鈴木P:みんなでネタ案を出し合って、それを脚本家さんがまとめてくださるのですが…バラエティー番組の会議に近いと思います。設定やシチュエーションのアイデアを出す中で、脚本家さんが一旦すべてを受け止めてくれるんです。

――アイデア出しの会議は何人で行われたのですか?

正井P:5~6人でしたよね?

鈴木P:そうですね。それに加えて、脚本家さん、監督、プロデューサー陣が参加して会議を行いました。正井さんも積極的にネタを考えてきてくださいましたよね?

正井P:私は地上波版からの参加なので、出来るだけ今までのコンセプトを壊さないように、でも印象に残る画や関係性になるように意識しながら意見を出しました。

ネタ出しまでの1週間はずっとキスのことばかり考えていて。いろんな人を観察して「きっとこの人たちはこの後ここへ行って、こうやってキスをするんだろうな」とばっかり考えていましたね(笑)。

――漫画やドラマなどからインスピレーションを受けるだけでなく、日々の生活からもヒントを得ていたと?

正井P:自分の経験もありつつ、友達の“恋バナ”も聞きつつで、現実と妄想が入り混じっているので「どれが経験談ですか?」と言われると、ちょっと恥ずかしくて言えないです(笑)。

――今までのシリーズとの違い、地上波版でのこだわりがあれば教えてください。

鈴木P:地上波で放送するにあたり、たくさんの方に見ていただくことになるので「ここで胸キュンさせますよ」っていうエッヂの立て方は、今までよりも強くなっているかもしれません。

正井P:「キス×kiss×キス」って、一度は憧れるシチュエーションのキスが多いと思うのですが、今回は皆さんにも共感いただけるようなリアルなネタもいくつか散らばっているんです。

鈴木P:そうですね、今までになかった“リアルな感じ”はあると思います。女の子の設定は、今まで僕らがやってこなかったものだなと。

――「リアルな設定だからこそ、全20エピソードのどれかしらに共感できる」というのが魅力なのですね。

正井P:そうだと思います。むしろ、そうなってほしいです。

鈴木P:嫌いな女の子がキスする話は誰も見たくないと思うんです。ちゃんと“自分の話”と落とし込めるようにしていただきました。

正井P:(ドラマの登場人物に)悪者がいないんです。なので、見ていて何のストレスもない、むしろ癒やしになると思っています。