コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップするのは、Twitterで7万件以上のいいねを獲得した漫画『寿命をゆずる友だちの話』だ。作者のマトマさんは様々な作品を発表しているが、同作では女子生徒2人の友情を描いている。さらに“片方は特殊能力を持つ”という設定も加わり、読者からは「斬新で面白いうえに、しっかり感動できる」といった反響が。同作について、マトマさんに創作の裏話などを伺った。
幼い頃から友達同士の林ミユキと田中ヒカリ。ヒカリには、“他人の寿命が見える”、そして“自分の寿命を他人に分け与えられる”という不思議な力があり、ミユキは気軽に能力を使う彼女のことを心の中で「寿命バーゲンセール女」と呼んでいる。
ある日、ヒカリから彼氏ができたことを報告されるミユキ。紹介された彼氏を見て「幸せにねっ」と祝福する一方、「これくらいの男なら私も告られたことあるし…」と嫉妬していた。ここからヒカリの幸せな展開が続くかと思いきや、ミユキは偶然にも彼氏が友人に「付き合った理由? 俺の妹が体弱くてさ」「そのために寿命がほしいんだよ」と話しているシーンを目撃する。
場面は切り替わり、ヒカリのもとに女子生徒がやってきて「田中さんの彼氏と林さんが喧嘩してて…」と報告。慌ててヒカリは現場に向かうと、そこには彼を殴った後のミユキが立っていた…。
同作のポイントは能天気なヒカリと心配性なミユキの軽快なやり取りや、ヒカリの彼氏に対してミユキの怒りが爆発するところ。2人の素敵な関係に魅了された人は多く、「“人生とは有限である”と教えてくれる漫画」などの声が相次いでいる。
ちなみに作者のTwitterでは“おまけ”という形で、その後の2人が描かれたショート漫画もアップ中だ。
――『他人に自分の寿命を譲ることのできる女友達の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私自身に「こいつより先に死にたくない」って思う高校時代からの女友達がいて、そいつより先に死ぬと墓前でタップダンス踊られる約束をしているので、あほだなって思いながらも、お婆ちゃんになった時に変わらずいられるような女と女の友情っていいなという気持ちで描きました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
ヒカリの「ミユキといると一分一秒も惜しいんだよね」「人生ってやつ」の時の表情です。今回ネームを小説のように書いてて、このシーンも「ヒカリは何度かひとりで頷くと顔を上げた。やけに清々しい顔で、赤いリップを塗った唇がゆるりと弧を描き、ニッと笑う。私の好きなヒカリの笑い方だ」となっていたので、この笑い方は単なる微笑みではなく「ミユキの好きなヒカリの笑い方」の表情となるようにこだわって描きました。
――個人的に縦のコマ割を活用して大きく書く手法がとても面白く感じたのですが、こちらはアイデアとして思いついたのでしょうか? それとも参考にした作品などございますか?
実は私なりに4コマ漫画を今回描いたつもりでいて、今流行りのウェブトゥーンと4コマ漫画のいいとこ取りみたいな、こういう枠にハマらない4コマ漫画があってもいいんじゃないかと思って描きました。
――大人になると仲が良かった友人と疎遠になることはよく言われることですが、マトマさんが思う“親友”とはどういうものでしょうか?
今仲良くなくても自分の人生にかけがえなかったなと思えた人間は、相手が親友って思ってなくても心の親友フォルダに入れてます。ミユキとヒカリもそのうちそれぞれの人生があり、会う頻度も減るだろうし、傍から見て2人が親友だと思える距離感じゃなくなる日がくるかもしれない。そうして忙しい日々で互いのことを思い出さなくなる日があっても、思い出は消えないし、忘れないから、そういうことだと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
他にも描きたいお話がいくつかあるので、それを形にしていきたいです。あと人見知りなので人前に出るのは苦手なんですが、コミティア(同人誌即売会)にサークル参加して普段Twitterなどでやりとりしてる方々とお話ししてみたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
この世のどこかに作品を楽しみにしている読者の方がいたら、今何かしら頑張って描いてるので、ぜひ楽しみにしていてください。いつも応援本当にありがとうございます!
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