HKT48の矢吹奈子と運上弘菜が、10月15日に都内で行われた映画「向田理髪店」の公開記念舞台あいさつに、高橋克実、富田靖子、白洲迅、森岡利行監督と共に登壇した。
本作は作家・奥田英朗の同名小説を高橋克実主演で映画化したもの。寂れた元炭鉱町「筑沢町」にある理髪店の親子の葛藤を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難など、どこの地方も抱える深刻な問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿が描かれている。家族の絆、人とのつながりの大切さを思い出させてくれるハートウォーミングな作品に仕上がっている。撮影は福岡県大牟田市などで、地元の人たちの協力のもと行われた。
矢吹は、筑沢町で撮影する映画のヒロインで“国民的アイドル”でもある大原零役で出演。物語の舞台が“生まれ育った故郷”ということで、それぞれの“故郷”について聞かれると、矢吹は「私は東京出身なんですけど、小学6年生の時に福岡に引っ越してきたので、第二の故郷は福岡だなって思っています。今でも空港に着くと、HKT48に入るために引っ越してきた時のことを思い出しますし、毎回、『家族のためにも頑張るぞ!』っていう気持ちにさせてくれます」と、福岡県への思いを語った。
このイベントで本作の宣伝活動が終わるということで、ここまでの活動を振り返りながら、「舞台あいさつをする時に見る景色は、普段の歌って踊っている時に見る景色とはまた違っていて。うちわがあるのは一緒だけど、違う感覚なので嬉しいです。私のファンの方で、(高橋)克実さんうちわを作ってる方がいらっしゃって、見せてもらったことがあるんです。そういうのも嬉しく思いました」と笑顔を見せた。
“好きなシーンは?”という質問には、高橋と富田が演じる向田夫婦のシーンを挙げ、「掛け合いが面白くて、ほっこりしました。『あ、夫婦ってこんな感じなんだ』って想像できて、すごく好きです」とその理由も話した。
運上弘菜は、中国から筑沢町へ嫁いでくるが、文化の違いで周囲に溶け込めていない“香蘭”を演じている。“故郷”への思いを聞かれると、「私は北海道出身なんですけど、すごく田舎で全校生徒が20人ぐらいの学校に通っていました。地元にいた時は『ここから出たいな』って思ったこともあったんですけど、今は、たまに帰るとホッとする温かい場所で、この映画を見て思い出しました」と答えた。
作品の中での印象的なシーンについては、「劇中映画での先輩・矢吹奈子さんの演技で、ちょっとドキッとするシーンがあるので、ファンの皆さんはぜひ注目してもらいたいです」と、矢吹の演技を絶賛した。
さらに、「先日、大牟田市で9カ所ロケ地巡りをしてきました。素敵な景色がたくさんあって、YouTubeでも公開していますので、見ていただきたいなと思います」とアピールした。
映画「向田理髪店」は全国公開中。
♦︎取材・文=田中隆信