「スター・ウォーズ」シリーズの新たな作品として、10月26日に「スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ」が配信された。同作は全6話の短編オリジナルアニメーションシリーズで、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」から「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」までのプリクエル・トリロジーと呼ばれる“新3部作”の時代が舞台。今作には大きく二つの物語が流れていて、一つは“アソーカ・タノ”、そしてもう一つは“ドゥークー伯爵”の物語だ。かの「スター・ウォーズ」ファン歴44年の俳優・及川光博も“ドラマ化してほしいキャラ”に挙げるほど、ファンも多いドゥークーの物語をフィーチャーする。(以下、ネタバレを含みます)
ドゥークーは惑星セレノー出身のジェダイで、ヨーダの弟子であり、クワイ=ガン・ジンの師匠にあたる人物。シリーズにおいてかなり重要なキャラクターではあるが、これまで深く掘り下げて描かれることがなかったため、深層が見えないというか、ジェダイに対する思いや、ジェダイを捨てた理由などを含めて謎な部分が多かった。
少しストーリーを追って紹介すると、第2話「正義」では、2人のジェダイが寂れた雰囲気の星を訪れる。その2人というのがドゥークーと彼の弟子のクワイ=ガン・ジン。彼らは誘拐されたダゴネー議員の息子を捜索していたが、この村の人たち全員がグルだったと判明する。
長年にわたって支配され続けてきたことへの不満からの犯行だと明かされ、クワイ=ガン・ジンは“選挙で落とせばいい”という正論をぶつけるが、腐敗してしまっている現状ではそういう正攻法では何も変わらないという。村民が実力行使に出た背景がうかがえるシーンでもある。
誘拐はしたものの、議員の息子に危害を加えることなく、むしろ丁重に扱っていて、そこでも村民と議員、どちらが本当の正義なのかが伝わってくる。実際、ダゴネー議員は聞く耳を持たず、力でねじ伏せようとし、ドゥークーたちにも「ジェダイは元老院に仕える身だ」と言って従わせようとしていた。それに対するドゥークーの「我々(ジェダイ)が仕えるのは共和国の民」という返しに、彼の“正義感の強さ”が表れていた。しかし、結局戦闘になり、村民に死傷者が出たことで、その正義感が暴走し「腐敗した政治家は根絶されてしまえ」と議員を殺しかねない雰囲気に。クワイ=ガン・ジンが機転を利かせ議員の息子に間に入らせたことで収まったが、怖い一面も垣間見えたのも確か。
第3話は「選択」。ジェダイ評議会のマスター・カトリが謎の死を遂げ、その調査のためにドゥークーはメイス・ウィンドゥと共に惑星ラクサス・セカンダスに向かった。マスター・カトリの遺体を回収することを命じられていたが、ドゥークーは“マスター・カトリだけ死んで、なぜ一緒にいた議員は生き延びることができたのか”と真相を明らかにさせたい気持ちが表に出ている。そして、メイスが止めたにもかかわらず、事件現場へと向かった。
船から降りてすぐに襲撃されたという証言に対し、船に傷一つ付いてないことを理由に、身近な人間による不意打ちだと見抜き、ここでも怒りが爆発。第2話同様、腐敗した権力者を目にして、抑えきれなかったのだろう。この行いによって、メイスはマスター・カトリの評議会での座を引き継ぎ、体制派の中心へ。「今のジェダイに平和は守れるのか?」と問うたドゥークー。タイトルの“選択”は、旧友であるメイスとの決別、ジェダイから離れるという選択ということになる。
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