「祈りのカルテ」脚本家・根本ノンジが主演・玉森を「人ならざるものになる瞬間を見事に演じてくださった」と絶賛

2022/11/05 06:00 配信

ドラマ インタビュー

(C)日テレ

現役の医師でもある作家・知念実希人によるシリーズ累計22万部突破のベストセラーが原作で、Kis-My-Ft2玉森裕太が主演を務めるドラマ「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系)。物語の転換期でもある5話を迎えるタイミングで、WEBザテレビジョンでは脚本を務める根本ノンジ氏にインタビューを敢行。

根本氏は「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」(2021年)や「正直不動産」(2022年NHK総合)、「監察医 朝顔」(2019年、2020年ほかフジテレビ)といったメジャー作品の脚本を手掛けている。

記者個人的には、「サ道」シリーズ(2019年テレビ東京)や「銀と金」(2017年テレビ東京)、アイドルファンならば「さばドル」(2012年テレビ東京)や「SKE48のマジカル・ラジオ」(2011-2013年日本テレビ)での脚本が印象深いかもしれない。

――バラエティーからヒューマン、オリジナルドラマの脚本と、幅広く手掛けられていますが、創作の原点はどこからでしょうか?

元々漫画家になりたかったんですよ。ずっと漫画家を目指してて、小学生の頃は藤子不二雄先生の事務所に持ち込みに行ったんですけど、怖くなってポストに入れて帰ってきて(笑)、そのあと年賀状がきたりしました。

漫画家は中学校時代までは目指していたんですけど、だんだん絵がそれほどうまくないってことに自分で気付いて、それから文化祭などでコントやったり劇をやったり、漫才をやったりしてその辺から表現するのが楽しいなと思って。

でも、自分でやるよりもネタを書いて人にやってもらった方がウケていたんですね。自分がやると緊張しちゃうんで。なので誰かにやってもらうという考え方が中学時に備わって、今につながっているのではないでしょうか。

――今作は知念先生の原作ですが、脚本制作のエピソードを教えてください。

漫画でも小説でも原作ものをやるときは、原作の正解というか完成品があるので、作品に対して必ずリスペクトを持ち、その世界観をどう映像として表現できるかというのをいつも気にしている、必ず心掛けている部分です。

今作の場合、「祈りのカルテ」という一冊の連作短編集があって、ネタ的には5話あって全10話なのでそれ以外をどうしようかってなったときに、知念先生からプロットのご提供をいただきまして、今「―再会のセラピー」(KADOKAWA)が出ているんですけど、そこにも収録されていないネタなんかも全部考えていただきました。

推理というか、医療的なミステリーに関しては先生の考えてくれたものに沿ってやろうと、それ以外の部分をどうやって膨らませるかはプロデューサーの藤森真実さんと一緒にいろいろ考えました。

――ドラマならではの設定も盛り込まれていますが、どのようなところを意識されましたか?

原作だと研修医の諏訪野良太が主人公で、いろいろな指導医の先生と出会い患者さんの謎を解いていくという流れなんですけど、より諏訪野先生を際立たせるためにというか物語を豊かにするために研修医の仲間たちと諏訪野のバックボーンをオリジナルとして足していきました。

同期の矢本悠馬さん演じられる冴木裕也は原作には出てくるんですけど、池田エライザさんのみどりやYUさんの谷川は出てこないのでオリジナルですね。

諏訪野先生のトラウマというか、人の顔色をうかがうという特性があるんですが、原作には出てこない義理のお父さんを出して、彼のバックボーンを描いた方が面白いねということで掘り下げたりもしています。