錦戸のあいさつを合図に始まったのはインスト曲「High Spirits」。大倉がタイトなキックでリズムをリードし、錦戸と安田がギターリフをかき鳴らし、渋谷がブルース・ハープで主旋となるメロを乗せ、横山がそこに艶っぽいトランペットを絡めていく。村上が奏でるクラブ系のジャズピアノは素晴しくロックであり、楽曲のアクセントになっていた丸山が差し込むスラップは最高にクールだ。
“アイドルグループ関ジャニ∞”を一目見ようと集まった観客は、ド頭からアグレッシブなジャズロック・インストゥルメンタルをぶちかましてきた、想像を遥かに超えた彼らのバンド力に、大きく裏切られる形となった。
観客を踊り狂わせた「High Spirits」から間髪入れず、横山が「ワン、ツー」とカウントすると、観客が「ワン、ツー、ウー!」とカウントをつなげる。彼らの代表曲「ズッコケ男道」だ。イントロが始まった時点で客席からは「おなじみの曲」に大きな歓喜の声が上がった。関ジャニ∞のコンサートではおなじみの「ズッコケ男道」ライブバージョン。しかしテレビなどでは関ジャニ∞らしい、いなたい振り付けが付けられたダンス曲として明るくパフォーマンスされることが多いため、メトロックの観客たちには新鮮に響いたことだろう。『WINDMIMLL FIELD』を埋め尽くした観客がサビの掛け声「きばってこーぜ イェイ イェイ イェイ」「振り切ってこーぜ ほら ブンブン」の掛け声で飛びあがるさまは圧巻の光景だった。大倉のドラムプレイから、村上の鍵盤と丸山のベースのユニゾン、演奏をリズミカルに導く横山のパーカッション、安田と錦戸のギターのあおり、そして渋谷の迫力あるブルース・ハープでシャッフルされた間奏では、客席後方でモッシュやウォール・オブ・デスが起こっていたのも、フェスならではの光景であった。