関ジャニ∞、ハプニングも天気も味方にした野外フェスデビュー【関ジャニ∞inメトロック完全密着 後編】

2017/06/02 18:45 配信

音楽

丸山隆平の曲順間違いをニコニコでフォローするメンバーたち(C)Metrock 2017 Photo by 本田裕二


「関ジャニ∞っていうアイドルグループやってます!」(渋谷)

Tシャツを脱ぎ去り、ギターを持ち直した渋谷が叫ぶ。彼がたった一人で出場した屋内フェス「テレビ朝日ドリームフェスティバル2014」でも叫んだその言葉には、アイドルであることへの葛藤と誇りを感じさせた。

「最後に1曲聴いて下さい!」(渋谷)

渋谷の掛け声から届けられたラストナンバーは、「LIFE〜目の前の向こうへ」。シングル曲で初めてバンドスタイルに挑戦した、彼らの転機となった一曲であり、長年大切に演奏し続けている楽曲だ。この曲のアクセントとなる中盤の音数を抑えたブロックで声を響かせる大倉の声は、どこまでも透明に響きわたった。

「ありがと〜っ!」

7人は最後に叫び、楽器を置くとステージ前に横一列に並び、つないだ手を高く掲げ、ライブを締めくくった。

「ありがとうございました!続いてはサカナクションがもうすぐ来ますよ!バイバイ!」(錦戸)

錦戸は、最後にそんな言葉を残し、次にこのステージでトリをつとめるサカナクションへとつなげたのだった。

特効も大掛かりな舞台装置もなく、客席にもいつものペンライトの光やうちわなど一切ない中、「関ジャニ∞」という存在だけで自分たちの音楽を魅せきった7人。アイドルらしい飾りをすべてそぎ落として挑んだむき出しの彼らの音楽は、大歓声の中で受け入れられた。

「めちゃめちゃ楽しかった!」「関ジャニ∞、ヤバかった!」と、ライブ後、多くの観客が関ジャニ∞の感想を言いながら歩いていたのを聞いた。また、「日曜の番組も面白いもんね」と、彼らが日々アーティストとのセッションに向き合っているレギュラー音楽番組「関ジャム完全燃SHOW」(テレビ朝日系)について話題にする観客が多かったのも印象的だった。

長年の活動の中で、多忙ながらもそれぞれが必死に楽器と向き合い、自分たちの理想の形を手に入れた7人の努力が、しっかりと実になったことを意味していたこの日、彼らは音楽シーンに確実に大きな爪痕を残したと言えるだろう。

武市尚子