「逃げ恥」「コウノドリ」…“普通っぽいけど普通じゃない”星野源が人々を惹きつける理由

2022/11/09 06:30 配信

ドラマ コラム

星野源※2022年ザテレビジョン撮影

マーベル作品や「スター・ウォーズ」シリーズ、韓国ドラマなどジャンルを超えた人気コンテンツを多数配信するディズニープラス。そのコンテンツブランド「スター」でこの秋、TBSの人気連続ドラマ計29作品が続々と配信されている。すでに配信中の「逃げるは恥だが役に立つ」(以下「逃げ恥」、2016年)や2021年放送の「逃げ恥」新春スペシャルに加え、11月9日(水)からは「コウノドリ」(1期・2015年、2期・2017年)や「MIU404」(2020年)も登場。悩み、葛藤し、成長する星野源に惹きつけられるラインアップだ。

視聴者を惹きつける“普通っぽさ”

星野の演じるキャラクターには、いい意味の“普通っぽさ”がある。理屈っぽくてポーカーフェイスで、でも内心はあれこれ迷いを抱えている。現実に、すぐ近くにいるような…いや、もしかしたら私自身の中にもいるかもしれない。星野の演じるキャラクターを見ていて、そう感じたことのある視聴者は決して少数派ではないだろう。

「逃げ恥」で演じたのは、恋愛経験のない独身サラリーマン・津崎平匡。その高いスペックに見合わぬほどに自己評価が低い。新垣結衣演じるみくりと、“家事サービス”と“対価”を等価交換する契約結婚を実行し、やがて恋愛感情が芽生えていくも、なかなか気持ちを素直に伝えることができず悶々とする。その様子が“ムズキュン”と名付けられ、大きな話題を集めた。

コウノドリ」で演じた産婦人科医・四宮春樹も、ややこじらせ感のあるキャラクターだ。過去の失敗を経て、「患者の希望より、患者の命を第一に考えるのが産科医の仕事である」と思い定めた四宮。ひたすら妊婦の気持ちに立とうとする同期の医師・サクラ(綾野剛)に異を唱える場面も描かれた。

同じく綾野と共演した「MIU404」の第4機動捜査隊員・志摩一未も、常に先回り思考で道理を見極めようとする人物。綾野演じる機動力にあふれた伊吹藍との正反対ぶりも鮮烈だ。

スーパースター、星野源

スペシャアワードでVideo Of The Yearを受賞した星野源※画像は星野源Instagram(iamgenhoshino)より


もちろん現実には、星野は普通ではない。むしろスーパースターだ。アーティストとして巨大なドーム会場をいっぱいにしたり、 NHKの連続テレビ小説と「ドラえもん」という2つの国民的番組の主題歌をほぼ同時期に担当したり、NHK紅白歌合戦でお茶の間を熱狂させたり、エッセーを出版すれば発売1週間で累計24万部の大ヒットとなったり、ラジオパーソナリティーとしてギャラクシー賞を受賞したりと、ジャンルを超えた活躍ぶりを見せてきた。