西川貴教が「人を明るくする」詐欺師に!?

2009/12/07 12:44 配信

芸能一般

ミュージカル「ザ・ミュージックマン」出演者たちは初対面から意気投合! 前列左より竹内都子、彩乃かなみ、西川貴教、うつみ宮土理。後列左より今井ゆうぞう、植木豪、佐渡稔

ブロードウェイミュージカル「ザ・ミュージックマン」の制作発表が3日、都内で行われ、出演者の西川貴教、彩乃かなみ、植木豪、竹内都子、今井ゆうぞう、佐渡稔、うつみ宮土理ら出演者と、演出家の鈴木裕美氏が登壇した。

本作は、'58年度トニー賞を9部門受賞し、ブロードウェイでは上演回数2000回を超えるコメディーミュージカルの日本語版。主人公は音楽教授を名乗り、人々に楽器やバンドの制服を売りつける詐欺師・ハロルド(西川)。音楽とその不思議な人柄で街の人々の心をほぐしていった彼は、詐欺目的だったにもかかわらず、次第に自分自身も見詰め直していくことになるという物語だ。

舞台3作目となる西川は「暗いニュースが多い中で、皆さまの心の中に温かい物を、そして僕自身の中にも新しい物を咲かせられるような舞台にできればいいなと思っています」とアピール。抜群の声量と歌唱力を持つ西川に期待が掛かるが、「座長なんて祭り上げられたりしますが、現場の空気を明るく楽しくするのが僕の仕事だと思う。皆さんの涙や汗を受け止める気持ちで頑張りたいです」と殊勝にコメントを。しかし、演出の鈴木氏から、アドリブ的なダンスや歌のシーンがあると明かされると、「(出演を)やめれば良かったと思っております(笑)」と態度を一変(?)し、会場は笑いに包まれた。

公演が来年4月からということもあり、まだ本格的な台本は渡されていないが、鈴木氏は「ミュージカルのオールドファッションともいうべき、歌とダンスがふんだんにあります。高級で非常にセンスがいい“学芸会”のように演出できればいいと思っています」と50年も前に作られた作品を現代によみがえらせる意気込みを。ボーカルダンスグループPaniCrewのメーンボーカルであり、ブレークダンスの世界大会で優勝した経験を持つ植木は「ダンスのシーンをいかに盛り上げられるか、その辺に力を入れていきたいです。…でも、ブレークダンスが生まれていない時代の話なので、僕の技はすべて封印して(笑)、一から勉強させてもらいたいです」とコメントし、新たなダンススタイルに意欲を見せた。

さらに物語にはマーチングバンドが登場し、出演者による楽器演奏のシーンにも期待が高まるが、今井は「“歌のおにいさん”をやってましたが、楽器は弾けません。好きなコードを押さえるくらいです」と不安な一面を告白。また、鈴木氏から歌やダンスについての演出プランが小出しに明かされると、竹内やうつみ、佐渡らベテラン勢からも口々に不安の声が上がり、笑いを誘っていた。そして、ピアノ教師役のヒロイン・彩乃は「ハロルドは詐欺師で悪い人なのにどこか憎めない。悪役が誰1人として出てこないハートフルな内容に引かれました」と笑顔で見どころを語った。

会見の後にはインタビューが行われ、西川には「詐欺についてはどう思うか」などの質問が集中。西川が「ハロルドのうそは人を明るくしたり、うそから何か新しい物を生み出したりする不思議なキャラクターなので一般的な詐欺師のイメージとは違うと思いますね」と答えると、うつみは「人間、誰しも“自分を良く見せよう”とか詐欺師的な側面は持っていると思うんです」と付け加え、「でも(初対面の共演者の)みんなとは、1分で仲良くなりました。こんなすぐに打ち解けられた現場は初めて。西川さんは、前からお友達だったみたいな気がするの(笑)。今から(けいこが)楽しみ」と早くもチームワークの良さを披露した。