NHKの番組を通信回線経由で配信するサービス「NHKオンデマンド」が、12月1日で開始2年目を迎えた。NHKでは利用者のさらなる拡大を目指し、2年目に向けた新たな取り組みを発表した。
従来のパソコン向けサービスでは、OSがWindowsでブラウザがInternet Exploreのユーザーのみに限定されていた。そこで、'10年4月からFlash Videoへ切り替え、利用者の分母の拡大に乗り出す。これによりいままで利用できなかったMacintoshユーザーらWindows以外のユーザーでも視聴できるようにする。また、現在の1.5Mbps、768kbpsに加え384kbpsの低速ビットレートでの購入も可能に。そのほか、パソコン利用者に対し、「見逃し番組」の一部で字幕サービスを開始する。まずは1日4〜5番組でのスタートとなる。
そのほか、放送と通信の連携を強化。データ放送を窓口としたインターネットサービス「NHKデータオンライン」に「NHKオンデマンド」へリンクするバナーを設定。このバナーを選択すると、アクトビラや一部のケーブルテレビのNHKオンデマンド画面へ誘導される。
コンテンツ面では、'10年1月からアーカイブス番組を配信する「特選ライブラリー」で「大河ドラマ 篤姫」(全50回)の販売を順次開始。1月は第1回から15回までの配信となる(第1回は無料、第2回以降は1回につき315円、第2〜15回のパック料金3150円)。また、2月13日(日本時間)から開催されるカナダ・バンクーバーオリンピックについても配信を決定。総合テレビでの放送分につき、放送後12時間以内に配信を開始。購入したものについては24時間視聴可能で価格は1本315円となる。
売り上げについては「当初の見通しを大きく下回る厳しい水準」(福地茂雄会長)にとどまっているという「NHKオンデマンド」だが、新サービスの開始で巻き返しを図る。