昨年、大好評を博した特番『ドラフトコント』が、パワーアップして今年も放送される。選ばれし5人のキャプテンがドラフト会議を行い、バラエティに富んだ精鋭・中堅芸人らドラフト候補20人から一緒にコントをやってみたいと思うメンバーを指名。ドラフト終了後に1か月という練習期間を経てコントを披露。どのチームが優れていたか競い合い、チャンピオンを決定する。一夜限りのチームで挑むコントへの意気込み、見どころをキャプテンたちに語ってもらい5日連続でお届けする。第1日目は、2006年から続けてきた吉本新喜劇の座長を勇退してまもない小籔千豊が、新たな“座長”として熱い思いを語った。
――大人数で作り上げるコントも、通常のコンビやトリオで演じるコントも、小籔さんは経験されてきました。が、「ドラフトコント」のような人数でのコントはこれまであまりなかったと思うんです。どんなところに苦労がありましたか?
小籔 大人数でのコントって、しゃべる量の多い少ないっていうのが「あって当然」なんですね。メンバーも全員それを承知しています。その「全員が点を取る必要はない」「作品が面白くなればそれでいい」という共通認識の中でチームプレーを発揮して一丸となって一つの作品のために動くんです。ワンポイントの人もおれば、全然ボケない人も、芝居する人も、ボケる人もおる、そして一つの作品になる。だから座長の立場として、なんの躊躇もなくチョイ役を指名していいんです。でも今回は、この子はちょっとしかおいしくない、この子はおいしい、って差をつけるというのは、躊躇するんです。このユニットでずっと一緒にやっていけるんだったら、「次はこの子をおいしくしよう」とか取り戻すことができるんですけど、寄せ集めの即席チームで1回こっきりなので。僕は「全員平等においしくできるのか、その上で面白くしなくてはならない」、っていうのが一番大変でしたね。
――今回、台本も演出もすべて小籔さんということですが、「全員を平等においしくしよう」というところと、「面白くしよう」というバランスを取るのは難しそうですね。
小籔 ネタを考える時、幅がガンと狭まりましたね。「きっちり5人が生きる」ってところに絞らなあかん、と決めたので、「目立つのが2人になっちゃうから、このネタやめておこう」って頭の中で却下することが多かったです。設定、方向性を決めるっていうのがだいぶ難しかったですね。でも、決まってからは余裕でしたけど。
――その中で、練習期間の1か月で一番大事にされていたことはなんだったんですか?
小籔 即席チームだけど、できるだけ新喜劇の雰囲気にするというか、それは舞台上じゃなくて、身内感というか仲良くなることに重きを置きました。一番最初に「絶対勝つ」って意思を示してみんなのテンション上げることと、本番が終わるまでは全員同期と思ってくれるようにしよう、っていうのは頭にありました。僕の意見も否定してほしいし気をつかわずにみんなが意見する、それは最初には強く言いましたし、メンバーみんなが売れっ子なのでスケジュールがなかなか合わないんですけど、飲みに行ったりご飯に行ったりしました。今日もリハーサル前にランチの場所に集合して、みんなでお昼ご飯を食べてからスタジオに来ました。短い間でも、できるだけ新喜劇の楽屋のような仲いい状態で意識を高めて、本番で勝とうが負けようが「俺たちよくやったな」「さぼらんで、ようがんばったな」って酒飲める状態に持って行きたかった。それに関しては今のところ成功しています。
――今回のコントの見どころを教えてください。
小籔 すべったら全員が悔しがる、ウケたら全員がうれしがるように持っていくって、やっぱり難しいんです。準備期間が1か月といっても、体感は1週間ない感じだったんです(笑)。そんな中ですごい芸人さんたちが苦悩しながらひねり出したコントで必死になって戦います。その状況も含めて楽しんでもらえたらなって思います!
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