デビュー間もない向井理がカンボジアで奮闘、衝撃映像も…「世界ウルルン滞在記」名作回を振り返る

衝撃映像!母乳がまさかの目薬に


旅人や訪れた国や地域の“負の歴史”にも目を向ける「世界ウルルン滞在記」。いわゆる普通の旅番組とは一線を画すが、その場所の文化も教えてくれる。

まずは食事。ビンさんの家族が向井に振る舞ってくれたのは、炒めた豚肉をナンプラーで味付けし、最後にきゅうりを入れた「きゅうりと豚肉の炒め物」と、生姜が効いた「豚肉の角煮」。それらのおかずと一緒にお米を食べる。代表的なカンボジア料理とはまた違い、どこか日本人の私たちにも馴染みのある家庭料理だ。これも旅人がホームステイするシステムこその醍醐味。

他にも驚くことがたくさん。特に印象に残ったのが、ビンさんの村に伝わる民間療法だ。撮影中、目にゴミが入ってしまった向井は、ビンさんにある村人の自宅に連れていかれる。そこで待っていたのは、子供を産んだばかりの女性。なんと、ビンさんの村では母乳が目薬代わりに使われているらしい。

女性の膝に寝かされ、母乳を目に入れられる向井。かなりの衝撃映像である。昨年、向井は朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)に出演した際も、過去の海外ロケで遭遇した衝撃体験としてこのことを語っていた。本人にとっても相当忘れがたい思い出になったのだろう。

そんな過酷なロケの合間にも笑顔があった。ビンさんの土地には銃弾や薬きょうがところどころ見つかったものの、地雷はなかった。平らになった土地で、向井がビンさんたち家族や仲間とまず行ったのはリレー大会。出会ったばかりの頃は地雷への恐怖や不安で曇っていた人々の表情が途端に明るくなる。その後、ビンさんは土地にマンゴーの苗を植えた。

「マンゴーが実る頃に戻ってくる」とビンさんと約束した向井は、4年後の2011年にスペシャル番組として放送された「世界ウルルン滞在記」で再びオーアンパル村を訪れる。同年にはカンボジアに学校を建てようと奮闘する大学生たちを描いた映画「僕たちは世界を変えることができない。」に出演。向井が“第2の故郷”と称するように、彼とカンボジアの繋がりは深い。

土地が平らになること、それは平和になること。向井が「平和」という文字を記した看板は、ビンさんの畑に今も残っているのだろう。あれから15年、改めて考えたい“二文字”である。

向井理の「世界ウルルン滞在記」出演回はTVerにて期間限定配信中。その後も様々な旅人らが出演したエピソードが順次配信されるので、ぜひチェックしてほしい。

■文/苫とり子

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