──先ほど北村さんから、鈴木さんを「ぶっ倒してやる!」という意気込みで挑んだというお話も飛び出しましたが、お2人とも30代を迎えた今思う、俳優としての今後の展望を教えてください。
鈴木 捉え方によっては「夢がない」と思われるかもしれないですが、僕は今やっていることを継続していきたいと思っているんです。その理由として大きいのはやはり新型コロナウイルス感染症。ようやく舞台というものがメジャーになってきて、もっと気軽に楽しんでもらえるようにさらに頑張っていこうと思っていたところに、コロナ禍でまたふりだしに戻ってしまった。舞台だけじゃなくて、映画もそうですよね。だから今やっていることを継続しつつ、こうやって取材をさせてもらったときには「舞台や映画は楽しいものなので、ぜひ劇場や映画館に足を運んでください」と発信していく。この活動を引き続き、続けていきたいと思っています。
北村 僕も本当に、ずっと続けていくということが夢なんです。自分のなかでここまで続けてきたものって、俳優が初めてで。だからこそ演じることに対して、ここまで続けてこられたという自信と、どこまで挑戦していけるのかという野望を持っています。たくさんのものが世の中に溢れていますが、演劇や映画ってこんなに楽しいものなんだよということを、たくさんの人に届けていきたいし、それを受け取った人が何かに挑戦してくれたらもっとうれしい。そうやっていい巡り方をしていく以上に幸せなことはないです。
──「先輩をぶっ倒したい」という気持ちも?
北村 それはもちろんありますよ。上の人を倒さないと自分がそこにいけないですもん(笑)。
鈴木 負けないようにしないと(笑)。でも僕自身も、先輩の俳優を見て「すごい!」と思ったことが演技を始めたきっかけだから、そういう意味でもまだまだ続けていくことが大事だなと思います。ただ、きたむーのことをあんまり後輩だと思ったことはないかも…(笑)。
北村 確かに、出会い(舞台『弱虫ペダル』)がチームメイトだったので…でも出会った頃から頼りがいがあって、そのときも僕は出来上がっているチームに途中から入ったのですが、すごく心の支えになってくれた人のひとりでした。あと、もちろん戦う相手でもありますけど、同じ作品を作る仲間でもあり、エンタテインメントを一緒に届けるチームメイトみたいな感覚もあるので、一概に倒しにいくだけではないですよ。
鈴木 倒すだけだったら作品生まれないもんね(笑)。
北村 ただの嫌なやつになっちゃう(笑)。切磋琢磨して、一緒に業界を盛り上げていけるような関係性でありたいですね。
■取材・文/小林千絵
撮影/曽我美芽
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