――長田さんが面白いと思う企画を、松尾さんもやはり面白いと感じているのでしょうか。
松尾:そうですね。面白いと思いますし、僕は、長田さんが考えた企画をどうやったらもっと面白くできるのかを探りながらやっています。とはいえ、そんなに難しく考えずやってます。たとえば、長田さんから「撮ろう」と言われてスタジオに行っても、「なんか今日違うな…」という感じになって、「この企画はやめておこうか」となることもありますし。
――「財津チャンネル」「Re:Hackshun」「香水」など、チョコレートプラネットチャンネルでは、YouTubeあるあるやYouTubeで流行っているものをフリにした笑いをよく手掛けている印象を受けます。
長田:僕がYouTubeを見るのが好きなんです。ダラーっとYouTubeを見ていて、面白いなと思ったものをパロディにできないかなと考えていますね。
松尾:「Re:Hackshun」に関しては、長田さんから早めに発注が来ました。動画の中で僕がモノマネしてる成田祐輔さんについて、「この人、やるから見ておいて」と言われていたので、どうやったらマネできるかなと考えたのを覚えています。
――余談なのですが、実は長田さんと同じ中学校に通っていた方から、長田さんは中学時代からすでに面白い企画を自主的に行うなど、クリエイティブだったとお伺いしました。
長田:え、ほんとですか!? そうだったかなぁ…。
松尾:中学生の時から色んなものを作って生み出し、今、YouTubeで様々な動画をバズらせている起源は中学校にあり…ということですね。
長田:いや、無理矢理寄せなくていいから(笑)。中学の頃なんて廊下を走って転がり回ってた記憶しかないですけどね。でも、生徒会に入っていたから、その時の活動を覚えていてくれているのかもしれないですね。
松尾:じゃあ、生徒会という小さな規模でバズっていたものが、今やYouTubeに舞台を移してバズっていると。
長田:うまいこと結び付けようとしなくていいから(笑)。
――お二人は2006年に結成し、2008年には「キングオブコント」の決勝に進出するなど、すぐに頭角を現しました。ただその後、ブレイクのきっかけを掴んだきっかけは、和泉元彌さんやIKKOさんのモノマネでした。コント師であるのに、モノマネで注目されたことについて不本意に感じたりはしませんでしたか。
長田:たしかにコントをずっとやってきて、コントで売れると思っていましたから、モノマネでフィーチャーされた時にはやはり戸惑いがありました。でも、やっていくにつれて「こういう戦い方もあるんだな」と見えてきて。逆にすんなりと受け入れてしまったほうが戦えるなと感じたので、そういった戦法に変えましたね。
松尾:僕も以前は「キングオブコント」で優勝して売れるというルートしかないと勝手に思い込んでいました。だけど、僕らを見てもわかる通り、色んな道があるわけですし、道は一つじゃないということを後輩にも教えてあげたいですね。
――インパクトがあるネタ・キャラで一気に売れて消費されてしまう芸人さんも多くいらっしゃる中で、お二人はモノマネやTT兄弟でブレイクし、今に至るまでいわゆる“売れてる状態”を継続しています。どのような“消費されない工夫”をしてきたのでしょうか。
長田:モノマネの次に、TT兄弟、YouTubeの「香水」「悪い顔選手権」がうまいこと出てきてくれましたが、いずれも狙ってやったことでじゃないので、単純に運が良かっただけのような気もします。ただ、軸としてずっとコントをやり続けていたのが、一つ大きかったと思いますね。ネタ番組ではしっかりと出せるネタがありますし、バラエティ番組の企画では「読解する力」が秀でているのかなと思うので、どの現場でも「何を求められて何を提供すべきか」を考えてやっています。そこが“違い”になっているのかもしれません。
松尾:これまで僕は、消費されていった先輩方や後輩たちを見て、なぜその人たちは消費されていたのかをよく観察してきました。売れることは「運」でしかないと思ってますけど、売れてから落ちていくのには理由があるはずなんです。たとえば、あいさつが適当になるとか、楽屋で声がでかくなるとか。そういう売れた人たちの嫌なところを僻みで見ていたので、それだけはしないようにと心がけてやってきました(笑)。
――話は番組のことに戻りますが、YouTubeで得た知見を活かして、「チョコプランナー」でやりたいことをお聞かせください。
長田:自分もいろいろ動画を見ているので、それを基に、「サムネイルプランナー」でサムネイルを企画していけたらと思います。
松尾:この番組をきっかけに、なにか長田さんの中で良いアイデアが浮かんで、逆に他の機会にも還元できればなと。そうなれば、ラッキーだなと(笑)。
――最後に番組に向けての抱負をお聞かせください。
長田:この番組から大スターを生み出せるよう、斬新なプランニングをどんどん仕掛けていきたいと思いますので、ぜひ、見ていただけるとうれしいです。
松尾:確実にモンスター動画が生まれるはずですから、絶対に今のうちにチェックしたほうがいいぞということを言っておきたいですね。
文=こじへい