F1と同じFIA(国際自動車連盟)管轄による、電気自動車のフォーミュラカーレース「FIAフォーミュラE選手権」の3rdシーズン・第7戦、8戦ドイツ・ベルリン大会の「フリー走行」から「予選」「決勝」までを、6月10日(土)、11日(日)にCSテレ朝チャンネル2が独占生中継する。(※一部録画)
2014年9月に開幕以来、電気エネルギーのペース配分が勝敗を分ける高い戦略性と、全コース市街地レースならではの激しいクラッシュなど、スリリングなレースが展開されている「FIAフォーミュラE選手権」。
今シーズンは、そんな歴史的スタートとなった1stシ-ズンから続く、電気自動車レースの最高峰シリーズ「第3幕」となる。
前回大会は、ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ブエミ(ルノーe.ダムス)が順調にリードを築いていく展開。34周目に2番手を走行していたジャン・エリック・ベルニュ(テチーター)が単独クラッシュし、セーフティカーが導入されてリードがリセットされたが、その後もミスのない走りでギャップを築く。
レースは、終了間際に総合ランキング2位のルーカス・ディ・グラッシ(ABTシェフラーアウディスポーツ)がクラッシュしたことでセーフティカー先導で終了。
ブエミはポール・トゥ・ウィンで今季5勝目を挙げ、チャンピオンシップ(年間王者)のリードを大きく広げた。2位にはホセ・マリア・ロペス(DSヴァージン レーシング)が初の表彰台、3位にはニック・ハイドフェルド(マヒンドラ レーシング)が入り、2戦連続の表彰台を獲得した。
そして注目の第7戦、第8戦を前に、元F1ドライバーで今季も解説を務める中野信治、片山右京に展望を聞いた。
――第6戦を終えていよいよ後半戦に入り、第7戦、8戦は2日連続のレースですが、どんな展望をしていますか?
中野:1stシーズンは、テンペルホーフ空港をクローズしてサーキットのレイアウトを作ってというレースで、(2年ぶりに)3rdシーズンでは、「空港の特別サーキット」に戻っていく、しかも更地を自由にレイアウトできるということで1stシーズンと全然違うレイアウトで面白いですよね。
空港を使って開催するということで、恐らく路面はすごくバンピーだと思いますし、荒れた路面で合う車、合わない車で、セットアップの仕方っていうのはどんどん変わっていきますから、今回速かったマシンが次のコースで必ず通用するとは限らないですからね。
1stシーズンのレースの映像を思い出していただくと分かるのですが、非常にタイヤカスが多く出るような、そんな路面でしたよね。(私も)アメリカ時代に空港を使ったサーキットレースをした経験があって、非常に荒いということでどんどん削れてタイヤカスがたまるんですよね。
ちょっとラインを外して、そのタイヤカスに乗った瞬間に一気にコースアウトということが起こり得るので、レース展開は非常に難しくなりますね。
片山:もちろん、チャンピオンシップの争いでは、ニューヨーク大会2戦共に出られないブエミはポイントを稼がなきゃいけないし、チームが鉄壁の強さを持つルノーe.ダムスにとってドイツのコースレイアウトはオーバーテイクポイントが、2、3カ所くらいあるので、速さだけではなく強さという部分も勝負を仕掛けてくるブエミ有利に変わりはないと思いますね。
――2連戦というレースの形は、チームにとってもドライバーにとってもかなりの負担がかかると思うのですが。
片山:2日連続というのはやはり一度失敗するとその影響が2日目にも出やすくて、1つのミスというのがチャンピオンシップの中盤から後半にかかってくるところでは2in1というのは、より傷口を広げる可能性もあるし、大きなアクシデントをしたら次の日マシンは修復できるかどうかという問題にもなってきますし、色んなリスクをはらんではいると思うんですよね。
中野:ドライバーに関しては体力的というよりも、精神的な部分でギリギリの戦いを毎レースしているので、タフな戦いになりますね。
ただチームにとってはより大変というか、準備作業をしていく中で、マシンがトラブったとかクラッシュしたとかってなると時間もかなり短いですから、ミスなく作業を行うという部分でも「チーム力」を試される戦いになっていくと思います。
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