モーニング娘。加賀楓&横山玲奈 つんく♂が送る加賀への当て書きと次への課題「卒業へ背中を押されたような気持ち」

2022/12/06 17:30 配信

音楽 アイドル インタビュー

リズムが変わらない難しさ「Happy birthday to Me!」


――もう1曲の「Happy birthday to Me!」はモーニング娘。25周年のバースデーソング的な意味もある曲です。

加賀:こっちはとにかくたたみ掛ける曲ですね。誕生日を迎えた新しい自分に「おめでとう」を伝えてあげる。最初はそういう曲だと思いましたけど、テーマはもっと壮大だったんですよ。誕生日って人生のうちに何回も繰り返すわけじゃないですか。子供の頃は誕生日が来るのが待ち遠しいけど、だんだん気付いたら歳を取っているって感じで、一年の流れがどんどん速くなっている気がしますよね。そんな感覚が「Happy birthday to Me!」の曲調に現れている気がしてて、体感、曲が終わるのがめちゃ早いです。なぜなら歌に途切れがないから。間奏もあるっちゃあるし、イントロもあるんですけど、同じリズムをずっと叩き続けていて、サビで展開が変わるとか、そういうのもないんです。最後までずっと同じリズムでいくから余計に早く感じるんですよね。そういう部分が実際のリアルな人生の流れを表しているようで、これに気付いてからは曲をものすごく重く感じるようになりました。

横山:すっごい喋ったね(笑)。

加賀:ごめん、早口になっちゃった(笑)。

――横山さんも「Happy birthday to Me!」について。

横山:この曲はとにかく難しいです。秋ツアーでも披露していますけど、テンポが速くて付いていくのに必死です。楽しむどころじゃない(苦笑)。テンポが速い分、歌詞も早口になっていくから伝えるのにも必死です。

加賀:サビでの歌詞が、「つんく♂さんだなあ」って思うんですよ。「思い通りにしてやる」「思い通りにゃさせない」って、ちょっと意地悪いことを仕掛けてくる感じが。でも、人生ってそういうものだと思うし、人間的な部分を突いてくる感じも絶対に響くと思うので、テンポ速くて難しいけど、なんとか歌詞を伝えるつもりで頑張っています。

――モーニング娘。というかハロプロ全体ですが、カウントの速い曲は他にもあるじゃないですか。ハロプロメンバーは16ビートの細かいリズムを叩き込まれているし。それでも難しいですか?

加賀:難しいです。なんて言ったらいいんだろう? 入っている音? ベースとなる音というか、コードみたいな楽器が他の曲に比べて極端に少なくて、この曲の印象を持っていくのが全てメロディーという感じだから、リズムを合わせていくのがものすごく難しいんです。

次へのステップアップのために、今超えるべきハードル


――1つ戻りますが、「Swing Swing Paradise」はミュージカルテイストもあると言ったように、ちょっと変わったダンスナンバーです。卒業後、ダンスの道に進みたいという加賀さんにとって、何か感じ取ることはありましたか?

加賀:やっぱり最初、自分の踊り出しで始まるのは緊張しますね。振りもメンバーの場位置も構成も、最初はずいぶん違って、レッスンを繰り返していくうちに今の形になったんですよね。そのときからイントロの振りにはずっと苦戦していて。でもそれって苦手の克服みたいなところもあるのかなと思っています。卒業後、ダンスをやっていくには苦手なジャンルにも挑戦していかなきゃいけないし、つんく♂さんや先生から背中を押されたような気持ち。「苦手でもやるんだぞ!」っていう、私の今後を考えたそういう指導、勉強をさせてくれたような気もします。実際、レッスンのときはいつも以上に細かい表現の仕方を教えていただけて、今後もこの気持ちを忘れずにダンスをやっていかなきゃなって思いました。

――以前だとソロ曲によく感じていたんですが、つんく♂さんから来る曲って、節々でそのときの苦手克服、「これをこなせればワンステップ上がれるよ」と言って渡しているような雰囲気を感じるんですよね。

加賀:ああ。それ、感じますね。ライブの後に反省会があって、以前だとディレクターさんからダメ出しがたくさん振ってきたのに、最近は「いいじゃん!」って。

横山:最近、絶対に第一声が「良かった!」だよね。あれ、逆に怖い(笑)。

加賀:最初、耳を疑ったもん。「え、何か冗談でも言ってる?」みたいな。その分、曲のレベルも前とは全然違うし、難しくなってきているのを実感しますね。でも、無理やり上げているんじゃなくて、順々にレベルを上げていってくれていて、これができるなら次はこれができるだろうって、そういう風な感じがまた上手いなって思います。

――そういう難しい曲が来ている中で、加入したばかりの16期、櫻井梨央さんはどうですか?

横山:ものすごく頑張っています。1人加入がどれだけ大変かって、本人にしか分からないじゃないですか。13期の私たちは2人で加入したからお互いに助け合いながら、相方が頑張っているから自分も頑張んなきゃとか。同期がいればそういう気持ちが生まれるものだけど、1人加入はそれがないから何倍も何倍も大変なんだなっていうのは櫻井を見ていてすごく感じます。櫻井は1人しかいないから、1人でなんとかするしかないんですよ。

加賀:比べる相手がいないからね。

横山:そう。分からないことがあったら自分で先輩に聞かなきゃいけない。入ったばかりでなかなか「分かりません」って、先輩に聞きに行けないですよ。リハーサルを見ていても本当に大変だったんだろうって思うし、秋ツアーでも無茶させてるなって思うんですけど、最近はメンバーにも馴染んできて、櫻井から積極的に話し掛けてくれるから、だんだん楽しい気持ちになってきているのかな。本当は加賀が面倒見がいいんですけど、もういなくなってしまうから、代わりにちゃんと見守っていこうと思います。