荒牧慶彦、2.5次元が一つの文化になればいい「歌舞伎や宝塚歌劇のように、日本独特の舞台文化に」

10周年記念公演は「僕のやりたいことをやるイベントです(笑)」

──そして12月15日(木)〜18日(日)には、10周年を記念したイベント「荒牧慶彦 俳優デビュー10周年記念公演 殺陣まつり~和風三国志~」が明治座で開催されます。

これまでやってきた僕のイベントのタイトルが「まきまつり」なんです。だからその殺陣バージョンとして“殺陣まつり”みたいなものをいつかやってみたいなというのは2、3年前から言っていて。「じゃあ10周年でやろう」ということになりました。

──ちなみに「和風三国志」というテーマはどこから?

子供の頃から「三国志」をモチーフにした漫画やゲームが好きで。それを公言していて作品のお話をいただいたこともあったのですが、タイミングが合わずにずっとできずにいたんです。「だったら自分でやっちゃえ!」と。せっかくのイベントなので、殺陣をしてトークをするだけじゃもったいないからと、ストーリーを考える段階で、三国志をモチーフにした物語を考え始めました。和風にしたのは……「三国志だと中華の衣装と武器だけど、日本刀も使いたい。だったら和風にしよう」って。僕のやりたいことをやるイベントです(笑)。

──百人斬りもされるそうですね。

はい。百人斬り、めちゃくちゃ楽しみです。ただ一人ずつ斬っていくのだとお客さんも飽きてしまうと思うので、日本刀でゾンビを斬ったり、ヤリを投げたら10人死ぬとか、衝撃波で大人数を倒せるとか、いろいろなメリハリを付けて斬っていけたらと思っています。ちゃんと100人斬っているのがわかるようにカウンターもつける予定です。

──面白そうですね。荒牧さんは、ずっとご自身が好きだとおっしゃってきた趙雲を演じますが、どのような趙雲になりそうですか?

物語には面白要素もありますけど(笑)、趙雲の動きとしてはカッコよく、スタイリッシュにしたいなと思っています。あ、今思いついた! 殺陣の中に、今まで自分がやってきた技を入れるのも面白そう。沖田総司(ミュージカル『薄桜鬼』)の突きとか、クロ(舞台『K』の夜刀神狗朗)の手を伸ばす技とか。

──アイディアが次々と飛び出しているので、当日までにまだいろいろと変更点もありそうですが、現時点でイベントの見どころをあげるとしたらどこになりますか?

全体ですね。いろいろな仕掛けもありますし。映像投影とかもやっていこうかなと思っています。それで言うと、“影絵断ち”は見どころの一つですかね。昔、明治座で早乙女太一くんがプロジェクションマッピングで自分自身の影と戦う “影絵断ち”をやっているのを見たことがあって、すごく感動したんです。今回はせっかくの明治座なので、僕もそれをやりたいと思って明治座さんに許可をいただきました。あとは、初めて槍を持ちます! ずっとファンの方からも「槍を持ってほしい」と言われていたのですが、刀ばっかりだったので。楽しみですね。回しまくろうと思っています(笑)。

──舞台ではキャラクターによって使う武器が決まっているので、「持ちたい」と言って持てるものではないですもんね。

そうなんです。だからこそ今回は使える武器は全部使いたい。

──「使える武器は全部使いたい」の“武器”が、比喩じゃなく本当の武器を指すことってあんまりないですよね(笑)。

たしかに(笑)。双刀も使いたいし、長刀とか斧、ヌンチャク、モーニングスター……挙げたらきりがないですが、使いたい武器がたくさんあるんです。そう思うと、この仕事は本当に天職だなと思います。

──武器も含めて、荒牧さんのやりたいことが詰まったイベントになりそうですね。

そうですね。僕のやりたいことを全部詰め込んでいます。一方で、僕はファンの方の応援がなかったら今こうやって好き勝手にできていなかったというのをすごく思っていて。テレビ業界にまで注目していただけるのも、舞台を見たりイベントに来てくれたりする方がいらっしゃるからであって、僕自身の力だけじゃない。だから10周年を共に歩んできたみんなにも楽しんでもらえるイベントにしたいと思っています。

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