コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、過去に性被害を受けた少年がトラウマを抱えながらも恋愛に一歩踏み出す姿をに描いた漫画『センシティブ・ボーイ』をピックアップ。現在、GANMA!にて連載中の本作を、作者である46さんが11月4日にTwitterに投稿したところ、2.2万以上(12月8日現在)の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、46さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
中学生の頃に先生から受けた性被害によって大きな傷を負った少年・楓は、「普通」に戻れることを求めて高校生活を送っていた。ある日の学校からの帰り道、パスケースのリールが引っかかったことをきっかけに、ある女子高生と出会う。
その日はスムーズに対応したが、翌日、学校から出ようとすると校門の端に昨日会った女子高生に引き留められる。すると、女子高生はいきなり「あなたに一目惚れしました」と言い、連絡先を渡してきたのだ。
このまま、「普通」の青春が始まる…と思っていた楓だったが、ひょんな事故から女子高生に押し倒されるような形となり、忘れかけていた"トラウマ"が蘇ってしまう。楓は「普通」に全然なれていないと悩むも友達はいつも通りに楓に接し、昨日の女子高生に連絡をするよう促す。楓は「普通の恋愛をして『普通』の男性になる」と決心し…。
過去のトラウマを抱えながらも「普通」であることに執着する楓の苦しみや表面上では元気に過ごす人間らしさをリアルに描いた本作。Twitter上では「似てる境遇で親近感わく」「心臓ギュッてなった」「すてきな作品」などのコメントが寄せられ注目を集めている。
――『センシティブ・ボーイ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
他人が見たら「普通の子」でも「普通」なんてものはない、見えない部分でみんな何かを抱えている、というテーマをしっかり描きたいと思いました。
――『センシティブ・ボーイ』では、トラウマを抱える主人公・楓が「普通」の男性であることに固執する姿が印象的です。楓のキャラクターは、どのようにして生み出されたのでしょうか。
楓はいわゆる主人公らしい容姿で明るく元気な普通の少年です。そんな子が「普通」に執着する姿に違和感があり、当たり前に使う言葉だけどよく考えたら普通って何だろう?という疑問を持つキッカケになって欲しいという思いが楓というキャラクターに込められています。
――『センシティブ・ボーイ』の中で、描くのが難しかった場面や苦労したところはありますか?
内容面ではひたすら楽しく制作していますが、タイトルを決める段階が一番難航し当時かなり苦しみました(笑) 今となっては良い思い出です。
――『センシティブ・ボーイ』は連載で今後もお話が続いていきますが、今後の見どころをお聞かせください。
現在は楓編という形で一人の主人公が活躍していますが、今後主人公と抱えている内容が変わっていきます。どれかに共感できる人もいればずっと共感できない人もいて当然だと思っています。本来漫画は登場人物に共感できるということも大事ですが、本作は「共感できない他人が何を考えて何に傷付くのかを垣間見る」ことも大事にしていきたいです。そして深く共感できる人や現在進行形で似た悩みを抱えている人には、自分だけじゃないんだと少しでも心が楽になってもらえたらいいなと願っています。
みんなそれぞれ色んな生き方があって、正解・不正解はないよと伝えていきたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
今は全ての漫画作品が本屋さんに並ぶ時代ではなく『センシティブ・ボーイ』は今のところ電子書籍のみなので、紙での書籍化や何かしらのメディアミックス等、より多くの人に届けられるような発展を目指しています。めちゃくちゃ頑張ります。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
心が痛くなる展開も沢山待っていますが、頑張る少年少女たちをぜひ見守って頂けたら嬉しいです。いま何かつらいものを抱えている人は、楓たちの隣に並ぶような気持ちで一緒にゆっくりと目の前の人生を歩んでいきましょう。引き続き、『センシティブ・ボーイ』をよろしくお願いします!
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