12月16日(金)よりDMM TVにてアニメ「LUPIN ZERO」の独占配信がスタートした。かの名作「ルパン三世」スピンオフとして、高度経済成長期の東京を舞台に、少年時代のルパンと次元の冒険を描く本作。13歳のルパンを演じるのは畠中祐、後に相棒となる次元は武内駿輔が務める。畠中と武内に、国民的知名度を持つキャラクターを演じるにあたっての思いや、役作りの工夫について聞いた。ルパンと次元を演じるために初代声優・山田康雄と小林清志の人生観から学んだという2人は、先人への敬意の念を表しつつ、「僕ら後輩ができるのは、先輩を超えていくこと。そうしないと文化が衰退していってしまう」「すごいをすごいで終わらせない」という熱意を語ってくれた。
──今回「LUPIN ZERO」という作品を作ると聞いたとき、また「LUPIN ZERO」の台本を読んだときの印象を教えてください。
武内駿輔 「ここに手を付けるんだ!?」っていうのは、祐とも共通してあったよね。
畠中祐 そうだね。オーディションの段階で企画書をもらったときは、「『ルパン』だからって、あのルパンなわけないよな」って思ったんですよ。でも蓋を変えてみたら、あのルパンだった。
武内 僕も「次元」って書いてあったから「ルパンと次元って言ったら、あの『ルパン三世』しかないよなぁ」って。
畠中 本当にあのルパンだったので驚きました。
武内 僕の中では「ルパンは絶対に畠中祐!」と思っていたので、ルパンが祐に決まったと聞いた時は「でしょうな」と思いました。まぁ祐はそんなこと思っていないでしょうけど(笑)。
畠中 いやいや! 武内くんは(役を)相当研究してくるだろうなと思ったから、すごく安心したと同時に、相当なプレッシャーも感じました。
武内 そういう意味で言うと、今回の「LUPIN ZERO」で描かれるのは未完成なルパンと次元であるということにちょっと安心して。「ルパン三世」ってもう完成されているというか、「ルパンはこういうものだ」というイメージが強い作品だと思うんですけど、「LUPIN ZERO」は彼らの成長物語だから、僕らの役者としての成長と彼らの成長をつなげやすい。そう思うと気が楽になりました。あとは、笑いあり涙ありアクションあり、かつルパンと次元の2人が抱える思春期感がドラマチックに描かれていて、非常にやりがいのある作品だなと思いました。
畠中 オーディションの段階ではルパンを意識せず、普通に演じたんです。でも第1話の台本をもらったときに「だけっどもな~」というセリフがあって。それを見て「めっちゃルパンだ!」と思いましたし、これは“やって”いいんだと思いました。台本をもらう前からPART1から見返してルパン研究をしていたので、「このルパンを思いっきりやっていいんだ」って。(ルパン三世の初代声優を務めた)山田(康雄)さんだったらどうアドリブするのかなと考えるところから始めました。
武内 僕もテレビシリーズを見返して、ルパンと次元のアドリブをデータ化というか……「こういうときはこういう雰囲気がある」みたいなことをメモしてまとめていったんです。例えば、何かをよける場面だとして「こういうものを避けるときは『あらららら』で、こういうものを避けるときは『わぁ』なんだ」みたいな、教科書のようなものを作って。それを元に自分たちでアドリブを考えていきました。
畠中 武内くんが作った“ルパン&次元語録”があるんですよ。
武内 もちろん僕らは、まず台本に書いてあることを文字通りにやるのが仕事だと思っていますが、ルパンはちょっと違う。
畠中 他の現場じゃここまではやらないよね。でも昭和のルパンの現場では、そういうアドリブがバンバン飛び交っていたんだったら、そのグルーヴ感も踏襲しないとって。
武内 そうそう。
畠中 そういったチャレンジングなことがいろいろできて、すごく楽しかったです。
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