──ルパンと次元を演じるにあたって、特に意識したことはどのようなことでしたか?
武内 ルパンにも次元にも、山田康雄さんと(次元大介の初代声優を務めた)小林清志さんの人生観が表れていると思っていて。だからルパンと次元を知るイコール、山田康雄さんと小林清志さんを知ることになる。そこはお互いに共通認識としてあったよね。
畠中 そうね。
武内 だから、ルパンや次元というキャラクターを掘り下げるのももちろんですが、まず小林清志さんという人はどういう生い立ちで、どういう仕事をして、どういう人生を歩んできたのかを知るべきだと思って、古本を探してインタビューなどを読みました。次元を知ることはルパンを知ることでもあるし、その逆もしかり。なので、僕は山田康雄さんのことも調べたし、祐も小林清志さんのことも調べて。調べていくとお2人がどのように役に向き合っていたのかが見えてきたので、自分たちもその姿勢は大切にしたいなと思いました。
畠中 調べていくと、面白いことにお2人ともキャラクターそのまんまなんですよね。山田さんはすごく照れ屋だけど、寂しがり屋。ルパンそのまんまじゃないですか。ルパンという仮面を被っているけど、実はすごく繊細で優しい方。だからこそルパンの厳しさの裏には優しさがあるんだなとわかる。そこは踏襲したいなと思いました。逆に言うと、山田さんの人生がルパンに表れるのであれば、僕自身もルパンの仮面を被りながらも、“自分”を使っていかなきゃいけないなと思いました。
武内 結局“自分”でやらないとダメなんですよね。なぜなら初代が“自分”でやっているから。でもルパンや次元って、セリフに調子というか、メロディ的な美しさがあるじゃないですか。そこは僕たちも求めているところではあるので、大切にしたいと思っていました。だからこそ、山田康雄さんや小林清志さんを知ることで、同じ解釈をして、結果同じ言い回しになるというのが一番理想だなと思いながらやっていきました。
──そんなこだわりの詰まった「LUPIN ZERO」ですが、お2人の思う本作の見どころを教えてください。
畠中 頭から終わりまで全部が見どころですが(笑)、ルパンが次元と出会ってどう変わっていくのかは最大の見どころですね。特にラスト2話は大注目です。超面白いです!
武内 監督も、音響も、もちろん僕らキャスト陣も、みんなルパン愛を持って作っているんですよね。ルパンが好きな方に対しては、よりルパンを楽しんでもらえるように作ったし、同時に、今までのルパンを知らなかった人でも入りやすい作品にもなったんじゃないかなと思います。深いメッセージもちゃんとありつつ、幅広い人たちに楽しんでもらえる作品になったと思うので、お菓子を食べるような気持ちで気軽に見てもらえればと思います。
──今作は全6話ですが、この先の展開にも期待は?
武内 この間、僕たちもその話をしていたんですよ。6話で終わる美学もあるし、でも僕らとしてはまた少年時代のルパンと次元を演じる機会が欲しいなとも思うし。だからといって高校生編とか大学生編があるのかとかは僕らの考える範疇ではないですが……演じ続けられたらいいなとは思います。
畠中 その機会があるとしたら、求めてもらえたときなのかなと思うので、今作を見て「うわ、続きが見たい」と思ったら素直に言ってもらいたいですね(笑)。僕らはこういう形でルパンと出会えてうれしかったし、これからも関われたらいいなとは思っています。
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