畠中祐&武内駿輔、ルパン&次元役にかける思い「僕ら後輩ができるのは、先輩を超えていくこと」

大泥棒にちなんで、お互いから盗みたいところは?

畠中祐と武内駿輔撮影=友野雄


──最後に、大泥棒のルパンにちなんで、武内さんは畠中さんから、畠中さんは武内さんから、それぞれ盗みたいと思うところを教えてください。

武内 全部です。

畠中 いやいやいや(笑)。

武内 僕は自分のことを“声優”だと思っていて。なぜかと言うと、声優という職業がすごく好きだから。声優という職業が確立されていく工程もすごく好きだし、大先輩たちが作り上げてきた文化も含めて、声優が大好き。でも祐は、やっぱり役者だなと思うんです。今はアウトプットとして声優の仕事が多いだけで、根っこの部分は役者。例えば誰も見ていなくても、それで一切食えなかったとしても、芝居から逃れられないと思う。その生き様や熱量は盗みたいなと思いますね。あとは歌もダンスもうまい。そのエンタメ力があるところもリスペクトしているし、僕も見習っていかなくちゃいけないなと思います。祐は盗みたいところ無いよな?(笑)何も口を挟んでこないってことはそういうことだよな?

畠中 いや、挟む隙がなかったんだよ!(笑) 武内くんは、自分でも言っている通り、声優というこの職業を愛しているからこそ、探究心がすごい。時々「この吹き替えの人の芝居がすごかった」って動画が送られてきたりするんですよ。その耳の肥え方が尋常じゃなくて。さらにすごいのは、それを「これ、いいね」で終わらせないところ。ちゃんといいものをいいものとして捉えたうえで、それを自分のものにしようとするんですよ。その貪欲さや努力は、好きという感情が根源にないと決してできないと思う。そこは恐ろしいなと思いますね。

武内 今回の作品にも言えることですが、やっぱり「先輩のやっていることはすごい」で終わっちゃダメなんですよね。僕ら後輩ができるのは、先輩を超えていくこと。そうしないと文化が衰退していってしまうと思うので、“すごいをすごいで終わらせない”というのは、今回の作品においても大事にしたいと思ったよね。どんなに下手くそでも山田康雄さんと小林清志さんにぶつかっていこうと。

畠中 そうだね。こうやってお互いに尊敬し合う部分があるからタッグが組めるんだなと思いますし、近くで見ていてものすごく身が引き締まりました。


■取材・文/小林千絵
撮影/友野雄

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