目を背けてしまうような“グロテスクさ”と“人間ドラマ”が共存 三池崇史監督の韓国ドラマ「コネクト」

2022/12/14 11:45 配信

ドラマ レビュー

残酷なシーンもあるが“癒やし”のメロディも

エネルギッシュに演出する三池崇史監督(C)2022 Disney and its related entities


ウェブトゥーンについて三池は「初めて読んだが、未知の世界に初めて接したような衝撃だった。日本の漫画と似ているが表現方法が違い、例えば臓器を摘出するなどの残酷な描写の場合では、ナイフが見え、画面が黒くなり“スッ”という表現が入る。シンプルな背景に1つの単語で表現する場合が多く、そのおかげで、どのように表現すべきか多くのイメージが浮び上がった。ウェブトゥーンの一画面が脚本のような感じがしました」と話した。

ドンスとジンソプが“コネクト”されるきっかけとなる、ドンスが作った曲については重要なファクターとなるため、誰に依頼するか相談を重ね、シンガーソングライターで多くのドラマのOSTに参加しているソヌ・ジョンアに作詞・作曲を依頼した。ドラマの中で、チョン・ヘイン、ソヌ・ジョンア、そして曲をカバーして世に出そうとする有名歌手・Zを演じるヤン・ドングンが歌う3バージョンを聴くことができる。どのバージョンもそれぞれの良さがあり、癒されるメロディが耳に残って何度も聴きたくなる素敵な曲だ。

三池も「同じ歌ですが、それぞれの感じが違うのがとても面白くて満足しています。中でも、ヤン・ドングンのバージョンが個人的に好き。肩から力を抜いたスタイルでこの歌を自分流にアレンジしていて、とても気に入ってます。僕は彼のファンで、今回出演してくれたのが夢が叶ったような感じで嬉しかった」と、ファン心を見せていた。ヤン・ドングンは子役出身のベテラン俳優だが、ラッパーとしても活躍していて、韓国のラッパーサバイバル番組でメンターを務めたこともあるほどだ。

エネルギッシュでアクションも実演した三池監督

「コネクト」より(C)2022 Disney and its related entities


今回のキャスティングは、まずチョン・ヘインが決まり、彼の推薦もあってコ・ギョンピョが決定した。コ・ギョンピョは「監督の大ファンでした。とてもエネルギーの多い方で、監督が僕たちにエネルギーが多いと言ってくれたんですが、逆に、現場では見られないエネルギーがたくさん感じられ、一緒に力を出すことができました。このような現場は韓国でも経験できないほど、優しくて思いやりのある監督でした」と、製作発表の席で撮影を振り返り、三池の印象を語った。

そして、チョン・ヘインは「現場で監督と“コネクト”されたようでした。同じ方向を見て、同じことを作り出して同じことを望んでいる、ということをたくさん感じて、面白くて不思議な経験でした」と語り、キム・ヘジュンは「アクションシーンでうまくできずに困るたびに、監督が直接お手本を見せてくれました。私とは違って厚い服を着ているのに、動きがとてもシャープで、私はその半分ぐらいしかマネできなくて残念でした」と、誰もが三池のアクティブでエネルギーにあふれた演出法に感銘を受けた様子だった。

撮影をしながらモニターを見て「韓流ドラマだ!」と喜んだという三池監督。「もともと韓国の作品が大好きだった」そう。多くの謎を含んで進んでいくストーリーに引きつけられ、韓国ドラマでは珍しい1本1時間弱の日本人にも見やすい短めな設定になっていることもあり、気づけば全6話イッキ見してしまうかも。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部