三宅健が12月15日、都内で行われた奏劇vol.2「Trio〜君の音が聴こえる」のフォトコール・取材会に共演の大鶴佐助、藤木直人、原案・作曲の岩代太郎と共に出席。2022年を「充実した1年」と振り返った。
本作は、数々の映画音楽を手がけてきた作曲家・岩代太郎が、これまでの活動と一線を画し、新たなフィールドでクリエーションを行いたいという想いのもとに発案されたプロジェクトの第2弾の公演。“奏劇”とは、音楽に雄弁に言葉を語り、台詞がその音となり、岩代が描いた音楽と共に一つの物語の世界を観客に届ける舞台芸術の形。演じるように奏で、奏でるように演じる、新しい形の朗読劇となっている。
物語は孤児院で共に育った3人を中心とするもの。人の心の模様を「音」で感じとる才能を持ち、ピアノを通して人の心を描写することができるサムを三宅が、心理カウンセラーとなり、サムと共にカウンセリングを生業とするトムを藤木が、2人から孤立し、突如として2人の前に舞い戻ったキムを大鶴が演じる。
本作について三宅は「音楽家の方が奏でてくださる音楽に役者陣が寄り添い、役者陣が発する言葉に音楽家の方たちが寄り添ってくださって、お互い奏でるハーモニーでひとつの役になっていく感覚は今回初めての経験でした」とコメント。
劇中では台本を持って役を演じているが、三宅は「大変です。肩がこります」と告白。演出の深作健太氏からは「(せりふを)覚えてしまって腹に落ちてしまうとまたそれは違う」と言われたそうで、三宅は「何度も読んでいると気づかないうちに覚えていっちゃう。でも、あくまでも僕たちは、音楽家の方たちのようにスコアを見ながらせりふを発するというような感覚で台本を持っているということなので、それは結構難しいです」と口にした。
2022年も終盤ということで、今年を振り返ってどうだったかと聞かれると三宅は「充実した1年でした」と回答。「コロナという環境の中で、ファンの方々と直接会える機会をたくさん設けてもらったので、自分にとっては幸せなことでした。見に来てくださるお客様たちと奏劇でお会いできることもすごくうれしいです」と語った。
◆取材・文=山田果奈映