【漫画】まるでオタクの鑑…素直じゃない“ダメドル”を推すファンの愛ある言動に反響「全オタクの望む状況」

2022/12/25 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

握手会にファン一人…。キシリモさんの『ダメドルと世界に一人だけのファン』が話題画像提供/キシリモさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、歌もダンスも下手なアイドルとそんな彼女を推すたった一人のファンのやりとりを描いた漫画『ダメドルと世界に一人だけのファン』をピックアップ。

作者であるキシリモさんが12月11日にこの作品をTwitterに投稿したところ、9.4万以上の「いいね」が寄せられ大反響を呼んだ。この記事では、キシリモさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

歌もダンスも下手なアイドルと彼女の唯一のファン、2人の“尊い”交流に反響続々

『ダメドルと世界に一人だけのファン』より画像提供/キシリモさん


知名度の低いグループに所属し、歌もダンスも下手なアイドル・うるみん。握手会で他のメンバーには行列ができる中、今日もうるみんの列に並んでいるのは“いつものファン”たった一人だった。

毎回うるみんのメンバーカラーである漆黒の服に身を包んで会いに来るファンだが、喜ぶどころか「地味なあんたにはお似合いよ」と冷たい言葉で返すうるみん。そんな素直じゃない態度にも動じず、ファンは「今日はうるみんに伝えたいことがあります」と改まり、ステージ上でのうるみんのダンスにダメ出しを始める。恥ずかしさと悔しさでいっぱいの表情を見せるうるみんだったが、最後にファンから予想外の“愛ある言葉”を伝えられて…。

素直じゃない“ダメドル”と唯一のファン、二人の尊い交流を描いた本作。12月12日に投稿された続編では、とあるお渡し会でファンが持っていた自身の自撮りチェキを見つけ、恥ずかしがるうるみんの姿が描かれており、このツイートに2.4万ものいいねが寄せられ反響を呼んだ。普段は“ツンツン”しているうるみんの照れた顔や、ファンによる推しへの愛ある言動も話題を呼び、Twitter上では「尊い」「ファンの理想像すぎる」「まるでオタクの鑑…!」「とても良い」「感動した」「全オタクの望む状況」「推し道の真髄を見た気がする」「続きをください」など多くのコメントが寄せられ注目を集めている。

「“喜怒哀楽を超えた表情”を意識した作画を」作者・キシリモさんが創作の裏側を語る

『ダメドルと世界に一人だけのファン』より画像提供/キシリモさん


――『ダメドルと世界に一人だけのファン』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

本作は「大真面目な顔で告白する男の子と、それに照れる女の子を描きたい」というピンポイントな欲望からスタートしています。そこから想像を膨らませて、女の子に告白する男の子=アイドルに愛を伝えるオタクの関係性が出来ました。

――“歌もダンスも下手なアイドルを推すたった一人のファン”という設定や、うるみんとファン、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

アイドルと言われると沢山のファンに囲まれてキラキラしている光景が思い浮かぶので、じゃあ全て逆にしてみよう!と思い、ファンは一人・歌もダンスもへたくそなアイドルが誕生しました。

「ファンは一人」という縛りを作ってしまったので、じゃあなぜオタクくんはうるみんを推しているのか?と考えた時に、うるみんは全てが不器用だけど一生懸命でオタクくんはそれをちゃんと知っている、という状況が浮かびあのやり取りへ至ります。当初はオタクくんがうるみんを貶して褒めるだけの会話だったのですが、きちんと読者の方にもうるみんを推せる理由をわかってほしいと思い、ギリギリで3ページ目のラストのセリフを変えました。

――本作では、いつも“ツンツン”しているうるみんの照れた顔や、普段クールなファンの推しに対する眼差しなど、感情あふれる表情描写も印象的です。キシリモさんにとって作画する上でのこだわりや、意識していることなどがあれば教えてください。

意識している事は「喜怒哀楽を超えた表情」です。例えば"照れる"を一つとっても、『告白されてびっくり恥ずかし』『褒められて嬉し恥ずかし』『黒歴史を暴露されて怒り恥ずかし』などなど、いろんなバリエーションがあると思います。表情からキャラクターの性格だけでなく、その顔に至った背景までをしっかりと読者の方に伝えられるよう、細かいニュアンスを試行錯誤しながら描いています。

――本作の中で、キシリモさんが特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

4ページ目がお気に入りです。この漫画を作った理由なので(笑)。

―― キシリモさんは本作以外にも、『創作漫画 彼女はスキだらけ』や『お前らだけが気づいてない系幼なじみを見守りたい創作漫画』など、恋する男女が登場する“胸キュン”な恋愛作品を多く描いていらっしゃいますが、その理由や創作の際のこだわりがあればお教えください。

ラブコメの、男の子も女の子も恋するあまり様子がおかしくなってしまうのが好きで…。あと恋愛というテーマが普遍的かつ短いページでも展開しやすいので、隙あらばラブコメにしてしまいます。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも作品を読んでくださって本当にありがとうございます!皆さんが楽しめる漫画をもっと出せるように頑張りますので、これからものんびり見守っていただけると嬉しいです。