「俺、音速が見えた」ペガサス星矢×フェニックス一輝の「聖闘士星矢」ファントーク 小宇宙(コスモ)が燃える“黄金十二宮編”への熱い想い

小宇宙を燃やせば俺も聖闘士になれるかも

「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac バトル・サンクチュアリ」より(C) Masami Kurumada / Toei Animation


──連載当時から好きだったという「聖闘士星矢」。原作ではどんなところに惹かれましたか?

森田:子どもって神々の力とかオーパーツのような不思議な話が大好物じゃないですか。でもジャンプ漫画みたいな中でそういうのがまだなかった頃、「聖闘士星矢」はギリシャ神話っていうファンタジーを真っ正面から捉えてきたわけですよ。子どもの森田成一からしたら衝撃でしたし、少年が小宇宙を燃焼することで聖闘士という特別な存在になれて、聖衣という伝説的なアーマーをまとうことができるというのに夢を感じましたね。最初から超能力を持っているわけではなくて、修行をして聖闘士になれるというところは、自分たちにも可能性があるんじゃないか?みたいなことを信じさせてくれる。そういう夢中になれる要素満載の作品でした。

小西:やっぱり子どもは「ジャンプ」の「勝利、友情、努力」の三大要素に惹かれるっていうのがまずありますよね。特に「聖闘士星矢」には小宇宙や聖衣とかのワクワクする要素がとにかく多くて。88の星座っていうのがまたいいんですよ。「次は何座が出てくるんだ?」というのもすごくワクワクしたし。森田さんみたいに、俺たちだって修行して小宇宙を燃やしたら聖闘士になれるんじゃないかって思ってしまう子ども脳を刺激してくれるのがね。最高じゃないですか。

──やっぱりペガサス流星拳は出していた?

小西:俺、音速見えたと思うんですよ、多分(笑)。岩なんかあったら、「これ、小宇宙を燃やしたら割れるんじゃないか」って、チョップしてたもん(笑)。

──聖闘士(クロス)、女神(アテナ)とかの読ませ方がまた新しかったんですよね。

小西:聖域(サンクチュアリ)とかね。技名覚えるの大変だったけど(笑)。ああいうの、「聖闘士星矢」が最初じゃないのかな。それでまた、全員美しいじゃないですか。「リングにかけろ」や「風魔の小次郎」もそうだけど、車田先生の描く少年ってすごく美しいんですよね。その少年たちが聖衣(クロス)というものに彩られてさらに美しくなっていくっていうのは、少年漫画の域を超えた美しさ。だから当時、女性ファンもものすごく多かったというのがジャンプ漫画では珍しい現象だったんじゃないのかな。

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