「俺、音速が見えた」ペガサス星矢×フェニックス一輝の「聖闘士星矢」ファントーク 小宇宙(コスモ)が燃える“黄金十二宮編”への熱い想い

胸がたぎった射手座アイオロスからのメッセージ

「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac バトル・サンクチュアリ」より(C) Masami Kurumada / Toei Animation


──今回は「十二宮編」ということで。原作の方ではどんなところに燃えましたか?

森田:僕はやっぱり人馬宮でアイオロスからのメッセージを読むところかな。「君たちにアテナを託す」っていう。あそこは「十二宮編」の中で一番泣いたところで、想いというものにものすごく胸がたぎったんですよね。ちょうど「十二宮編」の折り返しあたりで、そこでの盛り上げ方はさすがですよ。ぐっと魂を持ち上げてくれる瞬間でしたね。

小西:アイオロスはもう亡くなっているキャラなのに、あそこまで印象深く物語に立てるっていうのが胸に刺さるんですよ。

──小西さんは原作の「十二宮編」、どうでしたか?

小西:僕は一輝が大好きだったから、やっぱりシャカとの対決かな。一輝が自分の命を燃やしてシャカを倒すというのが最高に格好よかったです。それ以外では双魚宮での薔薇の道。あれは絵としてはすごく綺麗なんだけど、美しい薔薇にはトゲがあるっていうので実は毒薔薇になっていて、「怖えなあ」って思ったところです。昔、ファミコンで「聖闘士聖矢」のゲームがあったんですけど、双魚宮のところにやっぱり薔薇の道があって、進んでいくとどんどん体力が減っていくんですよ。

森田:あれね! 俺もやってた。懐かしいな。

小西:あのゲーム、ただでさえボス戦が難しいのに、体力が減った状態で戦うハメになるからシャレにならなかったんだよね。

森田:削りがひどい。当時の子どもって、よくああいうゲームを文句言わずやってたよね(笑)。

小西:だいぶ先の話なのでネタバレになっちゃうところだけど、「十二宮編」は原作もゲームも夢中になっていましたね。これを読んで思い出す人、相当いるんじゃないですか(笑)。

魚座のアフロディーテ(C) Masami Kurumada / Toei Animation


──「Knights of the Zodiac」シリーズは大筋原作を踏襲しつつ、暗黒聖闘士が違う形で出てくるなど幾つかのオリジナル要素があります。アフレコを通して、「十二宮編」のここは面白いなと思ったところはありましたか?

小西:僕、今回の内容、全く知らないんですよ。自分以外のパートは台本も読んでいない。原作通りなので言っていいと思うんですけど、今のところ一輝はシャカとしか戦っていないから。だから視聴者の皆さんと同じ立場です。というわけなので、森田さん。どうですか?

森田:基本は原作の流れのままですよ。ただ幾つかの新しいところがあって、僕の言葉でいうなら、原作で言及していなかった箇所が描かれている印象ですね。創作で付け加えたというより、原作を元に考えると「こういう背景があったのではないか」というような補完になっていると僕は思いました。

小西:へえ。どんなシーンなのか気になりますね。

森田:実はそういうことだったのかと納得できる作り方。米国のスタッフが入っていることで過去のアニメ化と違うところはあって、そこは当然好き嫌いがあると思うんですけど、「聖闘士星矢」の面白さは変わっていない。根っからのファンである僕的には完全にありの世界ですね。

──「バトル・サンクチュアリ」の国内配信は1月1日から。待ち遠しくしているファンにメッセージをお願いします。

森田:「Knights of the Zodiac」シリーズは配信作品なので「聖闘士星矢」のファンでもまだ観ていない方はいると思いますが、まずオープニングで涙がこぼれます。昔のあのオープニングをCGにするとこうなるのかって、感動ですよ。シャイナさんのクローもちゃんとあるし、ツボをおさえているんですよ。今まで「聖闘士星矢」に触れたことのない方が観たら世界観に驚くと思うし、こんなにも緻密に考えられて1つの作品が出来上がっているというのを感じられる作品です。ぜひご覧になっていただきたいと思います。

小西:リスペクト感が半端ないんですよ。特に「十二宮編」は全編の中でも1、2を争う人気の箇所なので、絶対に盛り上がることは間違いないです。だからこそ若い方々、「聖闘士星矢」という作品は知っているけど手に取ったことがないという方にはファーストシーズンから観ていただきたい。セカンドシーズンはその上で観ると面白さが倍増する物語なので、星矢たちの走り出しから観ることをお勧めします。

■取材・撮影・文/鈴木康道

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