佐藤健、出演作が軒並みヒットするワケ フィクションを現実に落とし込む演技力

2022/12/22 08:30 配信

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佐藤健※2022年WEBザテレビジョン撮影

井上真央主演の金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が1月13日(金)より放送開始となる。本作は「きのう何食べた?」「おかえりモネ」などを手がけた脚本家・安達奈緒子が描く、切なくも温かいファンタジーラブストーリー。今作で3年ぶりの連続ドラマ出演となる俳優・佐藤健の魅力を紹介する。

佐藤健の出演作が軒並みヒットするワケ


佐藤健といえば、11月24日より配信開始となったばかりのNetflixシリーズ「First Love 初恋」で“また”その魅力が再認識されている。宇多田ヒカルの名曲から着想を得ながら、90年代後半、ゼロ年代、そして現在の3つの時代を舞台に、一組の男女の忘れられない“初恋”の記憶を辿っていく同作。ヒロインを演じる満島ひかりとともにW主演を務めているのが佐藤だ。同作は脚本の構成力や色彩豊かな映像美、キャスト陣の演技力も含め、総合的に高く評価されており、配信から3週間連続でNetflixのグローバルトップ10入りを果たした。比較的寡作な印象の佐藤だが、今回のように出演する作品は軒並みヒットしていると言える。

佐藤は高校生の頃にスカウトされ、芸能界入り。“若手俳優の登竜門”と呼ばれる平成仮面ライダーシリーズの第8作「仮面ライダー電王」(テレビ朝日系)の主演に抜擢されたことから、世間の注目を徐々に集め、同作が放送終了した2008年に運命を変える作品と出会う。

それが、最高視聴率19.5%を記録し、社会現象ともいえるブームを巻き起こした「ROOKIES」(TBS系)だ。同作は佐藤隆太演じる熱血教師と、素行不良の野球部員たちが甲子園を目指す青春ドラマ。生徒役には市原隼人、城田優、中尾明慶、桐谷健太らが名を連ね、佐藤はドレッドヘアが印象的な岡田優也を演じた。当時、時折覗く愛らしい笑顔に視線を奪われる人はいたものの、他の俳優に比べて見せ場も台詞も少なかったように思う。後にその理由について、石丸彰彦プロデューサーは出演者の中で演技が「一番下手だったから」(「A-Studio」2013年5月31日放送回)と語った。当時は相当悔しかったろうが、佐藤自身もこの番組で石丸プロデューサーについて「悪いところはハッキリ言ってくれる、この世界で数少ない本音で話せる人」と語っていることからも、彼との出会いは佐藤にとって俳優人生のターニングポイントに違いない。

一つひとつの作品を大事にし、全身全霊を注ぐ姿勢


その後、俳優として力をつけた佐藤を石丸プロデューサーは「冬のサクラ」(2011年)や「とんび」(2013年)などのドラマでも起用。さらに、TBSの日曜劇場枠で2015年に放送された「天皇の料理番」では主演に抜擢している。同作で佐藤は昭和天皇の料理番を勤め上げるまでに成長していく片田舎の青年を好演。プロと見まごうような包丁さばきが話題となったが、やはりかなり練習したようで、包丁の持ち方から野菜の切り方まで一から料理教室で教わったそう。

佐藤はこのエピソードの他でもストイックな役作りで度々話題となっており、映画「るろうに剣心」シリーズや「いぬやしき」ではアクションをこなすため、徹底したトレーニングと食事管理を行っている。映画で披露している軽やかな殺陣や筋肉美を見れば、それがいかにハードなものであるかは一目瞭然だ。一つひとつの作品を大事にし、全身全霊を注ぐ。そのスタイルがあってこそ、佐藤が出演する作品は支持を集めるのだと思う。

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