タナカカツキのデビュー作である同名漫画を、高杉真宙主演で7月8日(土)より全国順次公開される映画「逆光の頃」の完成披露試写会が、6月10日に東京・新宿シネマカリテで行われ、主演の高杉、共演の葵わかな、清水尋也、小林啓一監督が登壇した。
京都育ちの高校生・赤田孝豊を演じる高杉は「やっと見ていただける日が来た」と完成に喜び、孝豊の幼なじみ・みこと役の葵も「見るだけで京都に行ったような気分になる映画。ということは皆さん、京都から今帰って来たばかりということですね」とユーモアたっぷりに語り、客席に笑顔をもたらした。
京都での撮影を振り返り、高杉は「最初は周りから“京都に観光をしに来た男の子”と言われていたけれど、撮影が進んでいくうちに“現地の子になった”と言われたのがうれしかった。自分の学生時代と刷り替わるくらいの青春をさせてもらいました」と回想。
一方、ヒロインの葵も「皆さんと仲良く同級生のように撮影して、京言葉も撮影の終わりの前日まで稽古をしました。それだけ刷り込んだので京都の子らしさが出ていれば」と報告した。
また、孝豊のクラスメートでバンドマン・公平役の清水は「京都は中学時代の修学旅行以来。街並みを視覚から楽しめました」と振り返った。
映画「渇き。」以来の共演という清水に、高杉は「久しぶりにせりふで言葉を交わしたし、撮影以外は2人で洋服を見に行ったり、撮影も楽しかったけれどカメラがないところでも京都を楽しんだ」との裏話を披露すると、清水も「真宙との共演は懐かしくて、自分の役者の原点に帰るような気持ちになった」と喜んだ。
そして、高杉と小林監督は映画「ぼんとリンちゃん」(2014年)以来の再タッグ。小林監督について、高杉は「作品への愛がある」とし「何度も『もう一回!』と言われて、うれしいけれど、監督の現場では毎回心が折れて1回帰るというのがある。そんな現場は数多くないので、僕を壁に当てさせてくれる厳しい監督。俳優からしたらうれしい作品の撮り方をしてくれる」と感謝を述べた。
これに、葵も「いい意味でしつこい監督」とぶっちゃけながらも「監督の中に役へのイメージがしっかりとあって、そこから指1本でも出たらアウト。その中でいかに演じるかを課題にしていました」と“完璧主義”な演出スタイルを明かした。
高杉と葵の証言に、清水は「人間としてコミュニケーションを取るのが上手な人。現場ではいい空気を作ってくれて、気が付かないうちに自分の何かが引き出されている。魔法みたいなものにかけられた気分」と分析。
俳優陣の発言に、当の小林監督は「そんなに厳しくないと思うけれど…」と頭をかきつつ、「こちらもやりやすかった。ありがたいですね」とうれしそうな表情を浮かべた。続けて「清水君、誕生日おめでとう!」と、9日に18歳になった清水の誕生日を祝福する一幕も。
最後に、主演の高杉は「映画を見て思ったのは“悔しい!”ということ」と切り出すと「それは、何故京都で生まれなかったのか? なぜ京都で学生生活を送らなかったのか? ということを強く思ったからです。皆さんにもそう思ってもらえたらうれしいし、僕らが演じた役柄がどこかで生きていると思ってもらえれば。リラックスできる映画なので、何度も僕たちに会いに来てほしい」とメッセージを送った。
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