声を出せないライブに「ちょっと慣れてきちゃった部分もあるよね。あんまりうれしくないけどね」と橘が苦笑気味に語ると、「順応してるということで。どんな状況でも楽しむことはできるんじゃないのかな? と思うよ」とフォローした千葉。
「涼平さん、ポジティヴですね!」と橘が褒めると客席からは拍手が起きた。オンラインライブも「楽しかった」と2人は声を揃え、初回のオンラインライブ『20XX“THE MUSEUM”』に関しては、「いろいろ試行錯誤して頑張ってつくりあげた」と自負を覗かせた橘。
しかし、ファンの書き込みコメントは「涼平頑張った」の連続だったと悔しそうで、「俺は?! なぜ涼平だけ?」と拗ねて笑わせた。千葉が「『涼平頑張った』の裏側には慶太の支えがあるのは皆分かってる」とコメントすると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
橘は、2人体制になったことで歌うパートが増えた千葉の努力を讃え、「ずっとw-inds.の曲を聴いてましたからね」と労った。過去の曲たちを新しい形に生まれ変わらせ、2022年の今ならではの表現で届けてきた今回のツアー。
千葉は「僕ら自身も新鮮で、新しいものを届けている感じになるから、楽しい」とコメント。橘は「デビュー当時の心に戻ったというか、チャレンジするという気持ちもある。20年経ってまたこんな気持ちになれるのは、なかなかない経験かもしれない」と語り、「楽しみながら、皆さんと一緒にw-inds.を盛り上げていきたいと思っております!」と宣言、ファンは大きな拍手を送った。
「もうちょっとぐらいしゃべりたいな」と橘がMC時間を延長すると、高校生の間で流行っている言葉が話題に。マネジャーとの会話の中で、「流行の言葉を会場で言ったら大爆笑が起きますよ」と言われたそうだが、橘は「いや…そんなに皆若くないんじゃない?」と返した、と正直に吐露。そんな橘を千葉がたしなめるという、w-inds.とファンとの間にある信頼関係を思わせるMCも。
会場のムードは和やかで、橘は「あなたたちが僕たちの若い時を知っているように、私もあなたたちの若い時を知っております! ともに成長しております!」(橘)と長くw-inds.と共に歩んできたファンへの言葉を届ける。千葉も「一緒に進んでますから!」と笑顔で話した。
「皆でタイムスリップするんだ」と橘が語り、千葉が「僕たちが今から皆さまを10代の頃に連れて行きます!」と宣言。「心を昔に戻しましょう。そういうナンバーが続きますよね、千葉さん?」「もちろんです!」との掛け合いから、活動初期の代表曲群を連打。
「ブギウギ66」では、倒立から空中で脚を静止するアクロバット、ムーンウォークと華やかなダンスパフォーマンスを次々と展開。小気味よいギターカッティングから始まった「NEW PARADISE」では、少年時代と変わらぬクリスタルヴォイスをしっかりと響かせながら、滑らかさを増したダンスには成熟を感じさせた。
ギターを掻き鳴らすようなフォームのダンスでフィニッシュすると、「Long Road」へ。<失くすものさえ何もないから>と、喪失からの旅立ちを明るく決然と歌うこの不朽の名曲を、未来への一歩を踏み出したw-inds.が、パワフルにパフォーマンスした本編ラスト。
それは、どんな言葉よりも多くのメッセージを届けることのできる、最高の選曲だった。
2023年1月7日(土)からはファンクラブライブツアーの開催が決定しており、楽曲も制作中だという。w-inds.は今後ますます活動の幅を広げ、加速していくことだろう。築き上げてきたハイレベルなパフォーマンスと、2人の新たな挑戦を体現したステージを映像で味わっていただきたい。
取材・文=大前多恵
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