【テレビの開拓者たち / 佐久間宣行】「ゴッドタン」佐久間Pが仕事をエンジョイできる理由

2017/06/21 06:00 配信

バラエティー インタビュー

テレビは新しい何かを知る“きっかけ”のメディア


現在「ゴッドタン」のプロデュース・演出のほか、「おしゃべりオジサンと怒れる女」(テレビ東京系)の演出も担当する佐久間宣行氏


──最後に、テレビ界における今後の展望などについてお聞かせください。

「これからの映像文化は、テレビ放送とインターネット配信の両輪で発展していくんだろうなと思いますね。テレビ放送のライブ感、みんなで共有できるお祭り感みたいなものと、ネット配信が持つアーカイブ性や検索性、その両方をうまくミックスしながら進んでいくんだろうなと。

ただ、テレビにしかない良さっていうのは間違いなくありますよね。まず、バジェット(予算)と人材という面では、他のどのメディアと比べても、いまだにテレビがNo.1だと思います。それと、これは僕自身の実体験として感じることでもあるんですが、テレビって、新しい何かを知る“きっかけ”になるメディアだと思うんですね。僕も若いころ、フジテレビの深夜番組なんかを見て、演劇や音楽の魅力を知ることができたわけだから。その点ネットの場合は、自分で検索するか、おすすめが表示されるか、という形でしか情報を受け取れないから、ひとつの趣味を深めていくにはいいんだけど、未知のものと偶然出会うチャンスはなかなかないんじゃないかなって。だから、これからも、僕らテレビの作り手が頑張って、面白いものを探している人たちの“きっかけ”になるような番組を作っていかないと。やっぱり僕は、テレビの世界で頑張りたいです」

──ちなみにひとつお聞きしたいんですが、「ゴッドタン」という一番組から発展して、「キス我慢選手権」では映画を2本も監督されて、「芸人マジ歌選手権」では日本武道館ライブも演出されて…もうやり尽くした感はありませんか?

「それはないです(笑)。まだまだやりたいことはたくさんあるので。でも考えてみたら、“映画を撮ってみたい”、“武道館でライブをやってみたい”という、10代のころに思い描いていた夢が2つとも叶っちゃってるんですよね。武道館だけじゃなく、Zepp Tokyoも渋谷公会堂も中野サンプラザも、好きなライブハウスは全部巡りましたからね、ロックバンドでもないのに(笑)。それに『ウレロ』では、ずっとあこがれていた芝居の作・演出もできましたし。僕ぐらい、仕事をエンジョイしているテレビマンは珍しいんじゃないかな。そこは割と自信があります(笑)」