「silent」村瀬Pが語る“社会現象ドラマ”の裏話 大ヒット生んだ数々のチャレンジとは?

2022/12/26 17:39 配信

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ドラマ「silent」プロデューサーの村瀬健(C)TVer

ろう者との恋を最初から描こうとしたわけではなかった


12月22日に惜しまれつつも、ついに最終回を迎えた本作。多くの視聴者が“silentロス”に陥る中、最終回の翌日にLesson4が配信となった。

なんと、その撮影日当日の朝に最終話の脱稿を終えたという村瀬。最終回となる第11話では、一度はすれ違った紬と想がお互いの気持ちを確かめ合い、「一緒にいる」道を選び出した。つまりはハッピーエンドだったわけだが、この結末については最初から脚本家の生方と決めていたという。

しかし、視聴者からの反響を受け、ドラマの内容に一部変更を加えることも。そのため、「いつも納品のギリギリまで作っていた」と村瀬は語る。だが、そのタイムリー感こそが連ドラの良さであり、映画にはないものであると持論を述べた。

ちなみに、ろう者との恋を描いたラブストーリーは過去にいくつか名作と呼ばれるヒットドラマがある。例えば、豊川悦司と常盤貴子の主演で最高視聴率28.1%を記録した1995年のドラマ「愛していると言ってくれ」や、主演に妻夫木聡、ヒロインに柴咲コウを迎えた2004年の青春群像劇「オレンジデイズ」(ともにTBS系)など。村瀬はこれらの作品とどう向き合ったのか。

同じことをやっても「二番煎じにしかならない」と思ったら身を引くようにしているという村瀬。しかし、今回は自分なりの切り口を見出した。それは、あくまでも“人間ドラマ”として描くということ。

初めから“ろう者との恋”を描こうとしたわけではなく、人の心を丁寧に描こうと考えた結果、8年後に再会した恋人の耳が聞こえなくなっていたという設定になった。そして、その設定のもと、「聞こえてた時と、聞こえなくなった今を描く」という点に、村瀬率いる制作陣は本作のテーマ性を見出したそうだ。


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