<柳楽優弥>32歳にして“大御所”の風格 シリアスからぶっとんだ役まで強烈な存在感

2022/12/28 06:40 配信

ドラマ コラム

柳楽優弥が主演を務める「ガンニバル」は、ディズニープラスのスターで12月28日(水)より世界同時配信※2022年ザテレビジョン撮影

「第35回東京国際映画祭」TIFFシリーズ部門に出品され、ワールドプレミア上映も実施されるなど世界からも注目されるヴィレッジ・サイコスリラー作品「ガンニバル」が、12月28日(水)にディズニープラスの「スター」で世界同時配信を迎える。同ドラマは、累計200万部を超える二宮正明の大ヒット漫画シリーズを実写化した作品。のどかな村「供花村」に駐在として着任した警官・阿川大悟が、“この村では人が喰われているらしい…”という、恐ろしいうわさの真相を探る。本作で、主人公・大悟を演じるのが、実は「意外にも」まだ32歳という若さながら、“孤高のカリスマ感”、そして目力を含めて独特の存在感を放つ立ち居振る舞いから既に大御所の風格をまとう柳楽優弥だ。今回はそんな柳楽のキャリアについて、あらためて紹介したい。

「ガンニバル」で柳楽が演じる大悟は、“ある事件”を起こして供花村に左遷された警察官。村の人間、特に後藤家の人たちからはただならぬ雰囲気を感じるが、大悟からも狂気をはらんだ“影”が感じられる。ある意味、人間臭いキャラである大悟をリアリティーをもって演じられるのは、柳楽だけなのではないか。先んじて本編を見せてもらった筆者としては、そう思わせる何かがあるように感じた。

「誰も知らない」で誰もが知る少年に

※画像は柳楽優弥スタッフ公式Instagram(yuya_yagira.staff)より


柳楽が最初に注目されたのは、是枝裕和監督の映画「誰も知らない」(2004年)だった。この作品は、実際に起こった巣鴨子ども置き去り事件を題材に、1年かけて撮影を行い、さらに1年たってから劇場公開された。2004年の「第57回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に出品されると、柳楽は男優賞を受賞。史上最年少(当時)となる14歳、しかも日本人初の男優賞ということで大きなニュースとなり、映画ファンのみならず、多くの人が俳優・柳楽優弥を知ることとなった。是枝監督が主役に抜てきした理由が“目に力がある”ということらしいが、まさに少年の佇まいの中に眼光の鋭さが際立っていた。

その後、映画「すべては海になる」(2010年)や「ゆるせない、逢いたい」(2013年)、「最後の命」(2014年)など、出演する作品の中で存在感を示していたが、個人的にも柳楽優弥という役者に引き込まれたのは2014年7月期に放送されたドラマ「アオイホノオ」(テレビ東京系)だった。

コメディー作品で新境地

※画像は柳楽優弥スタッフ公式Instagram(yuya_yagira.staff)より


「アオイホノオ」は島本和彦の同名コミックを原作に実写ドラマ化した作品で、柳楽の地上波連続ドラマの初主演作でもある。大阪芸術大学を舞台に、庵野ヒデアキ(秀明)、高橋留美子などが登場人物として出てくるリアルと虚構が織り混ざったところが魅力となっており、柳楽が演じる主人公・焔モユルも実写だけど漫画チックなところが多く、目がくぎ付けになってしまう。

シリアスな役柄を演じるイメージが強かったが、このドラマでコメディーに初挑戦したことで新たな扉が開き、一つ開眼したところもあったのではないだろうか。「勇者ヨシヒコ」シリーズなどを手掛けた福田雄一が監督・脚本を担当した作品ということもあって、それまでには出してなかった違う才能をうまく引き出されたという感じがした。そんなつながりもあってか、時を経て2018年に日本テレビ系で放送されたドラマ「今日から俺は!!」(福田が脚本・演出を担当)の第3話に焔モユルが登場したのも面白いコラボとなっていた。他にも、「銀魂」の土方十四郎役とか「ザ・ファブル」での無鉄砲な小島役など、ぶっ飛んだ役も多く、振り切った感のある演技で楽しませてくれる。

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