ジョージ・ルーカスが原案と総指揮を、米・アカデミー賞受賞監督のロン・ハワードが監督を務めた1988年公開の映画「ウィロー」は、当時の最先端視覚効果を用いて、誰も見たことのないような剣と魔法のファンタジックな世界を描き出し、その後のファンタジー作品に多大な影響を与えた。同作の続編となるオリジナルシリーズ「ウィロー」(ディズニープラスで配信中)の第6話「スケリンの囚人」が、12月28日に配信された。第6話では、クリスチャン・スレーター演じる“マッドマーティガンを名乗る男”が登場。うさんくさいけれど説得力があり、どこか憎めないキャラを安定の演技力で演じ、シリアスな展開の中にもクスッと笑いを届けてくれた。(以下、ネタバレを含みます)
前回、魔性の森“ワイルドウッド”の中で、ボーンリーバーたちと遭遇したウィロー(ワーウィック・デイヴィス)一行。そのリーダー的存在の女性スコーピア(アジョワ・アボアー)とジェイド(エリン・ケリーマン)が姉妹だということが判明したり、“真実の果実”を口にしたおかげでキット(ルビー・クルス)がジェイドに思いを伝えられたり、エローラ(エリー・バンバー)と腹を割って話ができたり、いい方向に進展していった。と思ったら、最後にトロールたちにキットとウィローが連れ去られるという事件が発生した。
第6話は2人を奪還する物語だが、これがまたやっかいなことばかり。2人が連れ去られたのは“そこから逃げ出せた者はいない”と言われている鉱山スケリン。実はボーマンがそこから逃げ出しているので、“逃げ出せた者はいない”というのは正しくはないのだが、それぐらい難攻不落の場所だということ。
スケリンに連れてこられたキットとウィローは鳥籠のような形の檻に入れられてしまう。そういえば、この吊るされた檻の形は、映画版でウィローがマッドマーティガン(キットの父親)と最初に会った時、マッドマーティガンが閉じ込められていた檻と同じ。キットとウィローがここから逃げ出す算段をしていると、隣の檻の中から「そんなことは出来ない」といった声が聞こえてきて、その男は“マッドマーティガン”を名乗っていた。見るからにうさんくさい感じのその男はアラガシュで、マッドマーティガンと共にランズエンドで戦った人物だった。ボーマンのこともよく知っているようだ。そして、「俺は彼(マッドマーティガン)の居場所を知っている」と意味深な言葉でキットの気を引いていく。
キットもアラガシュのことはボーマンから話に聞いていて、“裏切り者”という印象があったようだが、アラガシュに言わせると「ボーマンがうそをついている」と。ボーマンも話を盛りがちなので、どっちが正しいのか判断に困るが、キットは父親に会いたいという思いがあるので、気持ちとしてはアガラシュの話を信じたいと思っている様子。
そういった中、ジェイド、エローラ、ボーマン、グレイドン、スコーピアがスケリンに到着。全員で助けに行くことを決意するが、ここで話を盛りがちなボーマンのせいで大変なことになっていく。まず、トロールたちをやっつけてスケリンから脱出したという話をしていたが、実際のところは肥溜めに息を潜めて、命からがら逃げ出したというのが真実。ということで、トロールのフンまみれの下水的な所から忍び込むことに。
トロールたちの目的は“エローラ・ダナン”を捕まえること。ということは、キットたちを助けにきたエローラは、トロールたちにとって飛んで火に入る夏の虫、あるいは鴨がネギ背負って、という感じ。足元の悪い中、壁づたいに移動するが、ジェイドが“下を見ない方がいい”と忠告しても、エローラは「性格的に、絶対ダメって言われるとやってみたくなっちゃうんだ」と言って、下をのぞき込んで後悔するなど、エローラのドジっ子的な部分がちょいちょい顔を出す。危機的状況が続く中、グレイドンはエローラに許してもらいたくて空気を読まずにどんどん話し掛けたりして、こちらはこちらでグレイドンの悪いところが際立っていた。
エローラの魔力が強まっているせいか、エローラ自身の気持ちが不安定になると、地響きが起こったり、周囲にいろんな影響を与え始めるようになる。足元が崩れ、ジェイドが落ちそうになった時、エローラは彼女を助けようとして大切な“シャーリンドリアの杖”を落としてしまうアクシデントも発生。確実に魔法が使えるようになってきているが、エローラ自身は「魔法のこと、分かってきたつもりだったのに、コントロールすればするほど、手からすり抜けていくような気がして」と不安が募っていくばかり。
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