病で半身不随になった武志。うつろな目、小刻みに震える指、だらりと横たわったまま力の入らない体、どこをとってもそれが演技とは思えないほどにリアルで、SNSでも「病人にしか見えなくて不安になる…」「もう演技じゃなくて、そのものだった」「役への作り込みとその迫力にちょっと震えた」など、驚きの声が多数上がっていた。
そして諭は、自分が縁を切ったと思っていた間も、兄は自分の活躍を喜んでくれていたと知る。諭自身も知らなかった武志の本当の人となりが見えてくるにつれ、松戸武志という人物から受ける印象ががらりと様相を変える。
作品ごとに、“演じる”という言葉では足りないぐらいにその人物と同化し、そのたびに、哀しくもひたむきな生き様を見せる草なぎ。40代後半になり、俳優として円熟味を増す彼から目が離せない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記
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